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精神疾患と肥満、どちらが先?

うつ病などの精神疾患と肥満についてのニュースです。

精神疾患患者はやがて肥満になるリスクが高いようだ

ロンドンの公務員4300人以上を19年間追跡調査した結果、精神疾患になるとその後肥満になるリスクが高くなることがわかった。

逆に、肥満になるとその後精神疾患になるリスクが高くなる、という傾向は見られなかった。

このニュースの元となる記事(英語)はこちら

精神疾患と肥満の関係については以前の記事で、
「肥満者のほうが非肥満者より1.42倍うつ病が多い」という研究結果を紹介しました。
ですが、精神疾患があると肥満になりやすいのか、反対に、肥満者が精神疾患になりやすいのか、すなわち「精神疾患と肥満はどちらが先か」ということについては明確な答えが出ていませんでした。

その理由としては、運動不足やストレスホルモンの増加など、「精神疾患」と「肥満」との関係に影響を与える要因が数多く存在することがあげられます。

今回の研究では、ロンドンの公務員4363人(うち28%が女性)について、精神健康調査(GHQ)での評価と身長体重測定を1985年〜2004年の間に計4回行い、4回の調査結果を《分析1》と《分析2》とに分けました。

《分析1》では第1回〜第3回の調査での精神疾患判定と、第4回の調査での肥満(BMI30以上)判定との関係を調べました。

その結果、肥満判定は第1回〜第3回の調査で精神疾患なしと判定された人々に比べて、精神疾患ありと判定された回数により以下のように多くなりました。
1回……1.33倍
2回……1.64倍
3回……2.01倍

この結果から、精神疾患と判定された回数が多いほど、その後肥満となるケースが多いことがわかります。

《分析2》では逆に第1回〜第3回の調査での肥満判定と、第4回の調査での精神疾患判定との関係を調べました。

すると、1回目の調査で精神疾患と判定された人、すなわち元々精神疾患を持っていた人を除いた結果では、肥満とその後の精神疾患の間に関係はないと考えられる結果となりました。


結論としては「精神疾患は肥満をもたらすが、肥満は精神疾患をもたらすわけではない」ということになります。

精神疾患が肥満をもたらす理由としては、しばしば摂食障害を伴うこと、体の活動性を低下させること、薬の副作用で体重増加が起こることなどを挙げています。

「肥満は様々な病気のリスクを高める。精神疾患の治療に当たる医師は、肥満リスクの上昇についても治療の最初の段階から考慮すべきだ」と研究者は述べています。


しかし、女性に関しては事情が異なるかもしれない、という研究結果もあります。

若年女性では飲酒、体重、うつ病が関連

30歳未満の女性では、過度の飲酒、過食、うつ病はすべて関連している可能性があることがわかった。

このニュースの元となる記事(英語)はこちら

これによると、
・24歳のときにアルコール依存がある女性では27歳までに肥満になるリスクが3倍高い
・27歳のときに肥満の女性は、30歳までにうつ病になる可能性が2倍高い
とのことです。

「時間を追ってみれば、過度の飲酒と肥満が、後にうつ病になるリスクを高めるかもしれない」と研究者は述べています。

なお、同年代の男性ではこのような傾向は見られなかったとのことで、その理由として「女性がどうストレスに対処しているかということと、脳の生物学的な違いではないか」と述べられています。


以前の記事でもうつ病の女性では肥満2倍以上多く、肥満女性ではうつ病が2倍以上多いという研究結果がありました。

外面を男性よりも気にする傾向のある女性の場合は、また異なる要因があるのかもしれません。
そのような研究が進めば、男女別の効果的な治療法などにつながるかもしれませんね。


本郷玖美

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  | 2009年11月06日 00:35  | トラックバック歓迎 (0)  |



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(講演レポート)心が安らぐ睡眠のとり方

2009年10月14日(水)、津田ホール(東京都渋谷区)にて、精神研都民講座「心が安らぐ睡眠のとり方 」という講演が行われました。
その聴講レポートをお送りします。


精神研都民講座
平成21年度テーマ「心の回復力とは何か」

第4回「心が安らぐ睡眠のとり方」
平成21年10月14日(水) 津田ホール(東京都渋谷区)

講師:東京都精神医学総合研究所研究員 本多真氏


眠らないとどうなるか

ラットを眠らせないという実験では
 ・10日後……食事量は1.8倍に増加、しかし体重は12%も減
 ・2〜3週間後……白血球数が増加するも殺菌能力低下、敗血症から死に至る
これは水だけを与え、エサは全く与えなかった場合より短命とのことです。

人間では、17時間連続起きている時の作業能率は、血中アルコール濃度0.05%(免停と免許取消の境界)の作業能率と同じぐらいになるそうです。

「全く眠らない」のみならず、「寝不足」でも人体に悪影響が出ます。
1日に4時間だけの睡眠を6日続けたあとでは、コルチゾール(ストレスがあるときに出るホルモン)や血糖値の大幅な増加が見られたそうです。

また、アルツハイマー病でたまるタンパク質「アミロイドβ」は起きているときに増加、眠ると減少します。

このように睡眠は非常に重要な働きをします。


睡眠の役割

睡眠の役割については、まだ解明されていない部分が大きいのですが、睡眠中の脳の働きとして以下の3つがわかっています。
 1.神経細胞を維持する
 2.目覚めたときに神経細胞が働くための準備をする
 3.シナプス(神経細胞同士のつなぎ目)を減らす
このうち3.については、起きているときに蓄積された膨大な情報を不要なものと必要なものとに分け、不要なものを消去する働きを持つのではないかと言われています。

睡眠によって、脳は恒常性(生命を維持するために、さまざまな環境の変化に対応して体の状態を一定に保つこと)を保つための基盤を回復していると考えられています。


睡眠の調節は光が決める

いわゆる「寝ぼけ」の状態では、脳は睡眠と覚醒の両方の状態を示します。
よって「睡眠」と「覚醒」とは、同じスイッチのオンオフではなく、それぞれ独立したシステムと考えられます。
「睡眠」「覚醒」のスイッチは同じ視床下部というところの、きわめて近い場所にあります。

海外旅行に行くといわゆる時差ボケが起きることからもわかるように、「睡眠」と「覚醒」の時間は体内時計が決めています。
この体内時計を調節しているのが光です。

睡眠を促すホルモンとして知られるメラトニンは、強い光を浴びると分泌がストップします。そして普段眠りにつく時間帯の1.5時間ぐらい前から増え始めます。
夜間にコンビニなどの強い光(1000〜2000ルクスぐらい。普通の室内は300〜500ルクス)を浴びると、なかなか寝付けなくなるのはそのためです。


よい睡眠のために

1.光でリズムを作る
不眠を訴える高齢者を対象にした研究で、昼間に強い光(1000〜2500ルクス)を浴びるとメラトニンの分泌量が回復することがわかっています。
このように昼間、明るいところで活動することが重要です。

2.体温のリズムを作る
脳の温度を下げることが深い眠りをもたらします。
就床時に体温を下げるためには、床につく2〜3時間前に運動・入浴などをして一度体温を上げ、体温のメリハリをつけることが有効です。
また、効率的に熱を放散するためには血行をよくしなければならないので、半身浴・足湯なども有効と考えられます。

3.食事でリズムを作る
これもよく言われることではありますが、夕方以降のカフェインや寝酒・寝タバコ、就寝前の大食など目を覚ましたり睡眠を浅くしたりするようなものは避けます。

4.リラクゼーションを取り入れる
ストレスホルモンを減らし、副交感神経を優位にすることが睡眠を促します。
就寝前は意識的に緊張を解き、スイッチをオンからオフにすることが重要です。
牛乳やハーブティーを飲む、ゆったりとした音楽を聴く、など各自にあったリラックス法を見つけましょう。

5.睡眠の知識を生かす
不眠を訴える人の多くは「8時間寝られない」「床についてから数時間たっても寝付けない」と訴えるのだと言います。
日中スッキリ過ごせるならば8時間に満たなくても睡眠時間は十分であること、習慣的な就寝時刻の2〜4時間前は眠りにくいということを知っていれば、このような不安は取り除かれます。
眠れないからと早々と床につき、「眠れない」と思いながら床の中で過ごしていると、ストレスに反応してコルチゾールが増加します。すると体温が上がり余計に眠りにくくなってしまいます。


心身と睡眠の調和が「睡眠力」

睡眠と覚醒のシステムは、心身の状態から独立して存在しているのではありません。
・体内時計(光とリズム)
・自律神経系(緊張orリラックス)
・エネルギー代謝(食事)
・内分泌機能(ストレス反応)
・体温調節
の5つの総合的な調和によって保たれています。
眠ろうということ「だけ」を追いかけると、ストレスが高まって余計に眠れなくなります。
睡眠不足が続いたあとは長く眠れるように、睡眠自体は自動的に調節されるという機能を持っています。
心身を総合的に睡眠に望ましい状態にすることで、結果としてよい睡眠が得られることになるのです。


本郷玖美

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  | 2009年10月19日 18:34  | トラックバック歓迎 (0)  |



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(講演レポート)脳と栄養のシンポジウム

 2009年8月23日、東京・ニッショーホールにて、「脳と栄養のシンポジウム」が開かれました。
講師は新宿溝口クリニック院長である溝口徹先生をはじめとして、医師・研究者・病院理事長など、5名による多彩な内容で行われました。
午前中は落語家による公演も披露されました。

編集部よりお知らせ:
この講演の前年度(2008年)の模様を収めた DVD をお分けしています。
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オーソモレキュラー療法(分子整合医学)の基礎と臨床
医療法人 回生會 新宿溝口クリニック 院長
溝口 徹 氏

現在の精神科で行われているのは、患者の主観的な症状に基づく診断と、脳の中の代謝を変化させるための投薬である。
問題点として、症状と原因が必ずしも一致しないので(うつ=セロトニン不足だけ、とは限らない)、投薬で結果が必ず出るとは限らない。

一方で、オーソモレキュラー療法の考え方は「脳細胞の働きは、細胞を構成している分子と、細胞を働かせる物質の濃度で決まる」というものである。
具体的には

  • 脂質(脳を形作る)
  • たんぱく質( 〃 )
  • ブドウ糖(脳のエネルギー)
  • 神経伝達物質(ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニン、GABA など)(働きを調整する)

などによって脳の働きが決まる。

例えばコレステロールが低い場合、自殺や事故が増え、攻撃性も高まりやすくなる。

特に糖については、血糖値が不安定になるということは脳にブドウ糖の供給が不安定になるということであり、脳の機能障害を招く。
また砂糖やカフェインなどは興奮系の神経伝達物質を増やして精神を不安定にさせてしまう。

血糖値は高低だけを見るのではなく、最適な濃度で安定させ、急変動させないことが大切である。


糖質制限の基礎と臨床 〜脳に糖質は必要か?
財団法人 高雄病院 理事長
江部 康二 氏

人間が狩りと採集で暮らしていた時代の食生活は、現代で言う「糖質制限食」のようなもので、血糖値はほとんど変動しなかった。
4,000年前に主食が穀物となり、血糖値が変動するようになった。
そして最近の200年、精製した炭水化物によって血糖値が急変動する暮らしになっている。

血糖値が急変動すると、体は血糖値を安定させようとして自然治癒力を浪費し、疲れてしまう。


脳はブドウ糖しか利用できないというのは間違いで、ケトン体(脂肪を分解したもの)も利用できる。これは脳だけでなく体全体についても言える。
ケトン体は心筋や骨格筋などで日常的に利用されており、断食や糖質制限食によって体内のケトン体は増える。

難治性てんかんの治療に、摂取カロリーの75%〜80%を脂肪にしたケトン食というものがある。血中のケトン体そのものが脳の発作を抑制するのでは、と考えられている。

糖尿病や肥満の原因は、カロリーの過多ではなく糖が多い食生活にある。
血糖の急変動は血管を痛め、糖質を制限すると代謝が改善し、アレルギーやメタボも改善する。


精神科医療の現状と問題点
東京医科大学 精神科 准教授
市来 真彦 氏

精神科は心でなく脳を扱う。心の問題は脳の病気の症状である。
だから医者は患者の話を聞かない。薬の種類や量を決めための情報がないからである。

治療法:
薬がない時代は作業療法や通電療法、薬が出来てからは入院での多剤多量の投薬が行われていた。
しかし治療成績は良くなかったので、現在は在宅中心・単剤少量が理想とされてきており、薬と非薬物(生活療法や精神科リハビリテーションなどの社会的療法など)を両輪として行っている。

診断と治療:
適切な診断と適切な治療が必要だが、DSM(診断基準)は診断のみであり、治療法は書いていない。
また、まずは体の病気を除外する必要があるのだが、精神科は採血をしないことが多いので、万全な診断は出来ていない。

薬:
 睡眠薬・抗不安薬…すぐに効く。依存しやすい
 抗うつ薬…ゆっくり効く。減らすのは大変

指示を守らず自分で調節する人が2割ほどいる。投薬治療の満足度は仲間内での会話での満足度より低い。
最小限の適切な薬を適量飲むべき。

健康:
健康の基準には、「病気でないこと、薬が減ったこと、食欲があること」など医師が気にする項目の他に、「夢がある、人間関係、食事がおいしい」など医師が気にしない項目も必要。

「治る」とは?:
精神科の患者でも、一般に風邪の時と同じ「病気前の状態になりたい」という考え。
実際には、慢性疾患は「治る」ではなく「付き合う」が良い。

新しい健康の定義を示したい。それは病気度(0〜10)+元気度(0〜10)。
病気度は病名や各種の数値を踏まえた主観。
元気度も自分なりの物差しで考えた主観。

病気があっても元気に行きよう、元気度を高めよう。


シンポジウムディスカッション
Q. 生活習慣とメンタルな病気は関係あるか?
A. 10,000人を4年間追ったところ、

  1. うつ病を発症した人:朝食べない、間食・夜食あり、しょっぱいものが好き
  2. 大丈夫だった人:野菜・魚を食べる、運動する、タバコを吸わない
(大平氏)

Q. 投薬と栄養療法で回復した後にどんなケアが必要か?
A. 脳が回復するので仕事や勉強に取り組めるようになるが、病気が長期間続いているほど社会とのズレがあるので、集団療法や精神リハビリで支えることが必要。(廣瀬氏)

Q. 回復によって可能性や活動性が上がるとストレスも生まれる。本人や家族はどう対処すべき?
A. 悪くしないために入院という考えもある。また、起きうる症状や療法などの予測を話して対処しやすい心構えになっておいてもらう。(市来氏)

Q. 笑いを増やすには?
A. 気の合う人と話す時間を増やすと自然と笑う時間が増える。笑いのビデオや本を自由に見られる病院もあるが、基本は人との会話。お見舞いが多い人ほど長生きするというデータもある。(大平氏)


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  | 2009年10月14日 16:16  | トラックバック歓迎 (0)  |



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自殺予防週間、各県の取り組み

9月10日〜16日の自殺予防週間に関するニュースです。


まずは秋田県でのイベントのニュースです。
自殺対策 顔の見える連携を

自殺対策を官民学で考える「いのちを守り、いのちを支える全国フォーラム」が9月26日、秋田市で始まった。
NPO法人自殺対策支援センターライフリンクの清水康之代表は「一つの自殺の背景には複数の要因がある。個々の支援策はあるが、連動しておらず不十分」と指摘した上で「一つの相談窓口を入り口にして、必要な支援を受けられる各機関の連携体制が必要」と主張した。


次に静岡県でのイベント。
自殺予防「不眠治療を」 富士でシンポ

「自殺対策シンポジウムinしずおか」(内閣府と静岡県が主催)が自殺予防週間に合わせた9月23日、富士市内で開かれた。
睡眠研究の第一人者、久留米大の内村教授が「不眠治療がうつ病の早期治療となり自殺予防にもなる」と講演。
またうつ病闘病者の体験談やパネルディスカッションなども盛り込まれた。

その他の都道府県・政令指定都市での、自殺予防週間のイベント一覧はこちら


「平成20年版 自殺対策白書」によれば、「住所地」(自殺者の住所)「発見地」(自殺遺体が発見された場所)のそれぞれにおける自殺率ワースト1は秋田県、山梨県となっています。
以下、住所地・発見地別に平成19年(2007年)における自殺率の多い県・少ない県をそれぞれ5位まで挙げます。


住所地発見地
順位多い県少ない県多い県少ない県
秋田県奈良県山梨県神奈川県
2宮崎県愛知県秋田県奈良県
3青森県三重県青森県愛知県
4岩手県徳島県岩手県埼玉県
5島根県神奈川県島根県三重県

こちらでは、発見地のワースト1が山梨県である理由を「自殺の名所とされる富士山麓・青木ケ原樹海を抱えるため」としています。
実際、2008年の山梨県の自殺者数は358人のうち、3分の1以上の133人が県外居住者だったとのことです。

秋田県は住所地でワースト1、発見地としてもワースト2となっており、自殺率上位の「常連県」でもあります。
この汚名を返上するため、以前にとりあげた自殺予防学の確立など、さまざまな取り組みを行っています。

上のニュースでとりあげた「いのちを守り、いのちを支える全国フォーラム」では、秋田大学の本橋医学部長が、「近所の人への信頼関係が低いほど自殺率が高い」というデータを示し「形式的なネットワークではなく、顔の見える連携、地域のつながりが重要」と述べたとのこと。
パネルディスカッションでも、県がモデル市町村を設定して住民交流の促進など自殺予防に力を入れた結果、その市町村での自殺率が下がったという報告がありました。

例年通りならば、10〜11月には平成21年版の「自殺対策白書」が発表となる予定です。
自殺予防週間を機に、自殺の現状を正しくとらえ、必要な対策がとられることを期待したいです。


本郷玖美

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  | 2009年10月13日 15:21  | トラックバック歓迎 (1)  |



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続々と開発される血液検査でのうつ病診断

以前に血液検査でうつ病診断というニュースをとりあげましたが、それ以外にも血液検査による精神疾患の診断方法が続々と開発されている、というニュースです。

精神疾患:血液で判断 たんぱく質データ判定 大阪市大院

大阪市大大学院が兵庫医科大との共同研究で、うつ病や統合失調症などの精神疾患を判定できる血液中の分子を発見した。

これによると、うつ病や統合失調症の患者3000人近くについて、ストレスや細菌感染などによって生成し分泌されるたんぱく質「サイトカイン」の血中濃度データを分析。
データのパターンを分析することで、うつ病、統合失調症などを判定できることを突き止め、別の400人の診断に用いた結果、うつ病95%、統合失調症の96%で正しい診断ができたとのことです。

また別に、80人の男女を対象に、計算作業による精神的ストレス、エアロバイクなどによる身体的ストレスを加える実験を行ったところ、どちらのストレスを受けたかを100%の制度で判別できたということです。
これにより精神疾患の判定だけではなく、与えられたストレスの強度、疲労からの回復スピードも数値化することに成功したとのことです。


もう一つ、血液検査のニュースです。

産業技術総合研究所と国立精神・神経センターなどは、うつ病の患者の血液中で増える物質を突き止めた。

(※2009年9月7日付の日本経済新聞朝刊に載っていたニュースですが、ネットでの配信はありませんでした)

記事によると、「ProBDNF」というタンパク質(脳の神経細胞の成長を促す「BDNF」ができる前の物質)が増えすぎるとBDNFの量が減って神経細胞が働かなくなり、うつ病が悪化するとのことです。

うつ病と診断された患者約200人についてこのProBDNFの量を調べたところ、健康な人と比べて血中の量が2倍以上あったとのこと。
これは統合失調症や双極性障害の患者と比べても、同様に2倍以上増えていたとのことです。


一般の開業医のうつ病誤診についてのニュースもありました。
一般開業医が100人の診察を行うと、
・100人中20人の割合でうつ病患者がいたとしても、うち10人は見落とされる
・100人中80人の割合で健康な人がいたとしても、うち15人はうつ病と診断される
というものです。

うつ病の初期段階では一般医にかかることも多いものです。
さまざまな客観的診断方法の開発・普及によって、早期発見につながることを期待したいです。

本郷玖美

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  | 2009年09月24日 12:19  | トラックバック歓迎 (0)  |



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