「薬で治る」と言う人は、実は薬で治らなかった人

まず、精神科医の方のブログをご紹介。

「保存版 ”うつ”に負けない」(ブログ名は「医学都市伝説」)

要約すると

・うつ病のTV番組(この例ではNHK)でコメントするうつ病経験芸能人は、10年以上すっきりしないまま治療を受けていた人だ。「かならず治る」例になってない。

・医者は抗うつ薬さえ飲めば3ヶ月くらいでうつ病が治ると言うが、そんなのはウソだ。ネットにあふれるうつ病闘病サイト(ブログ)を書いている人は医師の指示を守り、周囲の人も過剰なまでに配慮して対応しながらも、一向に治らない。

・うつ病が長引く最大の理由は、本人の態度でも家族の無理解でもなく、ましてや職場の対応でもない。単に治療の不適切さが第一なのだ、ということをプロが言わなくてどうする。

という感じ。
精神科医でもこういうことを言う人はいます。 …というか、誰もが分かっていて言い出せないのです。

手っ取り早くうつ病の症状を抑えるには薬しかない。ただし、根本的に治るわけではない

ということを。


なぜここでこんなことを言うか? それは、ネットにあふれるうつ病闘病サイト作者が「うつ病は薬で完治する」と自分のサイトに書き、薬を飲んでいるにも関わらず、いっこうに回復していないのを見ていられないからです。
彼らは飲めば治るはずの薬が効かないことに焦っています。そして、マスコミは薬以外の治療法を一切言わないので、薬が効かなければもうダメだと思ってしまうのです。
彼らのような闘病者は間違った情報の被害者です。

闘病者を追い込んでいるのは、「うつ病は薬で完治する」「簡単に治る病気だ」というプロパガンダ(大本営発表)を繰り返すマスコミです。

あなたは薬であっという間に治ったうつ病患者の話を聞いたことがありますか?
私は伝聞で1回聞いたことがあるだけです。
「薬で完治する」と言う医者が書いた本に、証拠を示すデータが載っていましたか?
私は見たことがありません。

薬で簡単に治った体験談を、どこかで見たことがありますか?
どの本もどのサイトも、全然治らなかった人の話ばかりじゃないですか?

薬が5割の人にはあまり効かないのは、製薬会社が自ら公表しています。
再発率が高いことは医者も知っていますし、本にも書いています(一説によると再発率7割)。
再発を繰り返すほど治りにくくなるのは、病院のサイトに書いてあることです。

治す側がこれだけ「薬じゃ治らない」と言っているのに、マスコミは逆のことしか言いません。
本当は、うつ病が薬で治る確率は 15% です。
50%(薬がよく効く率) x 30%(再発しない率) = 15%なのです。
薬をいくつか試しているうちにどれかが効く率(70%)を入れても 21% でしかありません。


うつ病啓蒙番組に出てくる人は、

・うつ病を知らない司会者
・薬で治らなかった芸能人
・5割の人には効かないと保証されている薬を処方するしかない医者

です。
うつ病から立ち直った芸能人の話を聞いてみて下さい。薬が全然効かなくて5年10年と苦しんで、治ったと思ったら再発して、という話ばかりです。そういう人が「薬で治る」と言って、信用できますか?
この人選の番組で「うつ病は薬で治る」という結論にもっていくには2つの方法があります。知らないことにするか、ウソをつくかです。

薬は症状を抑えるためのもので、根本的な回復のための働きは持っていません。

いいですか、うつ病は確かに治ります。ただし、薬だけでは治りません。

薬以外には電気や磁気を使う治療(れっきとした医療行為)、メンタルトレーニング(認知療法)、食生活と生活習慣の整備など、いろいろな方法があります。試しているうちに適したものが見つかります。

選択肢は薬以外にもあります。

あなたが今、薬だけの治療で治っていなくても、決して絶望しないで下さい。


似たような事件が起きました。抗ガン剤イレッサの輸入販売元が、この薬の副作用で死亡したとされる患者の遺族と「全国薬害被害者団体連絡協議会」によって訴えられたのです。
承認前から事実と違う内容の誇大広告を繰り返していたとして、薬事法違反容疑の刑事告発状が東京・大阪の地検に出されました。

「自社のホームページや医学雑誌の自社提供ページ(PRページ)などに報道資料や専門家の対談を掲載。”副作用が比較的少ない”などと記述し、イレッサが夢の薬であると誤解させた」とのこと。
遺族らは「学術的な対談を装っているが実態は広告。こうした手法を野放しにしてはいけない」「一連の『広告』を見てすごい薬が出たという認識だった。だまされた」とコメントしています。

「うつ病は薬を飲めば治る」と発言するのは、何の罪もないことなのでしょうか?
私は大変なことだと思いますよ。



 

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  | 2005年06月30日 16:42  | この記事のアドレス URL  |

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