薬をもっとよく使う
メルマガ バックナンバー
こんにちは。うつ病ドリルです。
だいぶご無沙汰してしまいました。お詫びに有用情報てんこ盛りでお送りします。
てんこ盛りの目次はこちら↓
●管理人のブックマーク 「薬をもっとよく使う」
●今週の相談 「医者が合ってないんでしょうか?」
●掲示板から 「うつ病の名医15人のリスト」
●編集後記 「象さん体験記&分かりやすい脳のサイト」
ちなみにしばらく発行できなかったのは、相談が殺到していたからなのです。
1つの相談に答えるために数時間調べたり図書館巡りをしたりするので、次々と
こなすようにはできないのです。
というわけで、やっとたまっていた相談が片づいたのでメルマガに手が回るように
なりました。
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●管理人のブックマーク「薬をもっとよく使う」
今回は薬の特性を調べ、より作用を強めたり上手く使う方法を調べられるサイトです。
発掘! やくやく大辞典
http://medicine.cug.net/
ページの構成は yahoo みたいになっていまして、薬の分類をたどっていくことも
出来れば薬の名前から検索することも出来ます。
試しに「パキシル」で探してみましょう。
http://medicine.cug.net/drug/02/02_05_02.htm#paroxetine_HCl
ここで出てくる情報を元に薬を活用します。
では、ケースごとに活用方法を説明します。
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○薬が効かない、効き過ぎ、副作用ですぎ、飲むと翌日までだるい
→「用量」欄を見ます
「用量」
意味:1回または1日に飲む量。薬1粒が 20mg タイプの場合、1日 40mg と
書いてあったら1日2粒という意味。
活用法:
>投与は1回10〜20mgから開始し,原則として1週ごとに10mg/日ずつ
>増量する.なお,症状により1日40mgを超えない範囲で適宜増減する.
薬の飲み始めで副作用が辛い場合、1日 20mg 以上飲むように指示されていないか
確認して下さい。抗うつ薬は最初のうちは効果が出ずに副作用だけが目立ちます
ので、最初のうちは少なくのみ、副作用が落ち着いてきたら量を増やすのが
原則です。
また、しばらく飲んでいるのに効かない場合は、毎日 40mg 飲んでいるか確認して
下さい。抗うつ薬は原則として最大量(この場合は 40mg)まで増やし、副作用が
ひどくない限りは回復してから1年くらい最大量のまま続けるのが原則です。
しばらく飲んでいて副作用がひどい場合、最大量を超えて処方されていないか
確認して下さい。場合によっては最大とされている量を超えて処方されること
があり、その場合は想定されていない副作用が出ることもあり得ます。
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○薬は増やしたくないが効き目を強めたい、薬が効かないので変えたい
→「作用機序」欄を見ます
「作用機序」
意味:薬が体内でどのように働くか、そのメカニズム。
活用法:薬のデータの中で最も面白い部分です。その薬の動作原理であり、
これが理解できれば薬を活かすことも殺すことも可能です。
例えばパキシルでは
>シナプス間隙に放出されたセロトニンが再利用されるため再び神経に取り込まれる部位
>(セロトニントランスポーター)をブロックすることで,シナプス間隙におけるセロトニン
>濃度を高め,抑うつ状態を改善.
となっています。ということはセロトニンが減らないようにするための薬ですから、
セロトニンを増やす行動をしてやればパキシルの効果は強まりますね。
同様にレキソタン(精神安定剤)の場合は
>中枢のGABAA受容体サブユニットに結合しGABAの親和性を増大してCl(-)の透過性を
>増強する.これにより神経細胞は過分極状態となり神経細胞膜の興奮性は抑制される.
日本語に訳しますと「GABAが神経に取り込まれやすくする」という意味です。という
ことは GABA がないと薬は効かないことになるわけで、GABA を摂ればレキソタンも
より効くということになります。
あと、ある薬が効かなくて別の薬にする場合、同じ作用機序の薬どうしで
切り替えてもあまり効果は望めません。違う作用機序にした方がよいです。
例えば現行の精神安定剤は「ベンゾジアゼピン系」というのが主流ですが、
これが効かないなら同じ「ベンゾジアゼピン系」のものに切り替えるより
別の系統の薬にした方が望みがある、という意味です。
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○薬切れの谷間をなくしたい→「体内動態」欄を見ます
「体内動態」
意味:薬が体のなかでどう振る舞うか。
いろいろデータが並んでいますが、重要なのはとりあえず Tmax と T1/2 です。
Tmax = 血液中の薬の濃度が最大になるまでの時間
T1/2 = 同様に半分まで下がるまでの時間(半減期)
α = 体内に拡散して濃度が均一になっている状態
β = 排泄によって濃度が下がっている状態
ちなみに (p.o.) というのは「経口で=口から飲んだ場合」という意味です。
活用法:薬をいつ飲むかという判断に使います。
パキシルは Tmax が4時間半〜5時間です。これを見れば頓服では使えない
ので「具合が悪くなってから飲む」のでは間に合わないことが分かります。
T1/2 は14時間半ですので、毎日欠かさず飲む必要があることも分かります。
睡眠薬を飲んでいるのに夜中に目が覚めるなら T1/2 が短すぎないか見て下さい。
効き過ぎて朝起きられないという場合は T1/2 が長すぎないか見て下さい。
目的に合わない薬でしたら医師に薬を変えてもらって下さい。
朝起きてだるい場合は、夜飲む薬の T1/2 を調べます。これが長ければ
朝のだるさは夜の薬が朝まで体に残っているからという予想がたちます。
ちなみに睡眠薬のベゲタミンは T1/2 が18時間くらいありますので、
朝はフラフラです。
ちなみに T1/2 の6倍の時間が経てば「体から薬が抜けた」と考えてよい
ようです。
さてさて、今回はかなり上級者向けの内容でしたので、
次回はもっと気楽に読める内容でお送りする予定です。
海外健康ニュース源とか、そんな感じで行きましょうか。
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●今週の相談「医者が合ってないんでしょうか?」
Q
うつで3回目の休職中です。
心療内科に通って、10年近くになると思います。
ちょうど1年位の間隔で再発しているわけですが、かかりつけの医者は変えていません。
(1度だけ、近くの心療内科に行ったのですが、そこは医者が若いのと、リタリンを
処方してもらえないと言うことで通わなくなりました。)
質問なんですが、こうやって再発を繰り返していると言うことは、現在の医者あるいは
薬が合ってないことが考えられるのでしょうか?
現在かかっている医者は、70歳ぐらいのいわゆる権威のありそうな方で、飲んでいる薬は
デプロメール
トフラニール
アビリット
レスミット
リタリン(朝、飲んでも良いとのこと)
です。
貴サイトで出てくる様な名の知られた薬でないのが少々不安です。
A
> こうやって再発を繰り返していると言うことは、現在の医者あるいは
> 薬が合ってないことが考えられるのでしょうか?
再発はともかくうつから回復してきたということは、医師が合わないとか
薬が合わないということはないと思います。
私の考えですが、
医師が合わない=話を聞いてくれない、聞いても処方が症状と合ってない
(無関係な薬を出す or 量が全然足りない)
薬が合わない=理屈上合っているが、飲んでも効果がない or 副作用が
強すぎて飲み続けられない
というものだと思っています。
あなたの処方では、元気がないうつ病用のものが出ています。
効かないということは量が足りないかも知れませんね。
各薬の1日あたりの最大量を書いておきます。
デプロメール 150mg
トフラニール 300mg
アビリット 600mg
レスミット 30mg
基本的に、再発予防の間もこの最大量に近いものを使うのが一般的なルールです。
足りてますでしょうか?
それと、薬以外の大前提。
以前と同じ考え方で以前と同じ暮らしをするなら、再発はほぼ確実に起きるでしょう。
理由は、
以前と同じストレス耐性の人に
以前と同じ種類のストレスを
以前と同じ量だけ与える
ということは、以前と同じ発症プロセスをたどるからです。
しかも、うつ病は再発を繰り返すほど再発しやすくなる(クセが付く)
やっかいな病気です。
仕事が変えられないのであれば、
入ってくるストレスの量を下げる
=認知療法
ストレス耐性を上げる
=起床時間を整える、運動習慣、食事習慣
という工夫をしましょう。
私の考えでは、再発の一番の理由は薬云々ではなく「再発前と全く同じ
暮らしをしているから」です。
> 貴サイトで出てくる様な名の知られた薬でないのが少々不安です。
有名さと効果はあまり関係ないですし、新しい薬の方が効くというデータも
ありません。副作用が少ないのは確かですが。
飲んでみて効果を感じているなら、その薬をそのまま使うのが一番です。
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●掲示板から「うつ病の名医15人のリスト」
調べモノしてたら面白いものがひっかかったのでコピーしときます。
「うつ病の名医」 ← 誰が決めたんだろう…
http://www.nikkansports.com/ns/general/health/40/he40_126.html
http://www.nikkansports.com/ns/general/health/40/he40_127.html
http://www.nikkansports.com/ns/general/health/40/he40_128.html
▽北海道大学病院(札幌市北区)精神科・小山司教授
▽新潟大学医歯学総合病院(新潟市)精神科・染矢俊幸教授
▽防衛医科大学校(埼玉県所沢市)精神科・野村総一郎教授
▽日本医科大学千葉北総病院(千葉県印旛村)メンタルヘルス科・木村真人診療部長
▽帝京大学医学部附属病院(東京都板橋区)精神神経科・南光進一郎教授
▽ひもろぎ心のクリニック(東京都豊島区)渡部芳徳理事長
▽錦糸町クボタクリニック(東京都墨田区)西山詮院長
▽昭和大学病院付属東病院(東京都品川区)精神科・神経科・上島国利教授
▽東京医科歯科大学医学部付属病院(東京都文京区)精神科・本橋伸高助教授
▽東京大学医学部付属病院(東京都文京区)心療内科・久保木富房教授
▽初台関谷クリニック(東京都渋谷区)関谷透院長
▽精神研究所付属清和病院(東京都新宿区)精神科・神経科・広瀬徹也院長
▽国立国際医療センター(東京都新宿区)精神科・笠原敏彦医長
▽長谷川病院(東京都三鷹市)精神科・柏瀬宏隆院長
▽聖マリアンナ医科大学病院(川崎市宮前区)神経精神科・朝倉幹雄助教
9番目の「東京医科歯科大学…」は、薬の選択が非常にうまい(よく当てる)と
「私はウコンでうつを治した」という本の体験談に書いてありました。
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●編集後記「象さん体験記&分かりやすい脳のサイト」
掲示板にちょっとした回復報告というか健康法の書き込みをもらったので
ここでご紹介しておきます。
書いてくれたのはたねいちさんです。
>今日はじめて「セロトニン象さん」使ってウォーキングしてきました。
>ウォーキング、ほぼ一ヶ月ぶり、体重も1.5kg増でした。6月殺人的に忙しく、
>「心臓バクバク・息切れ」など、交感神経上位の状態、病院行くヒマもなく、
>「救心」で乗り切っていました。(苦笑)
> さて、こういうとき、再開するのにすごいエネルギーを要しますよね。
>「偏桃体」がイヤイヤ言ってます。ちょいとスイッチを切り替え(妄想にて)、
>スタート。あ、朝に「ザバス」飲んでました。最初なのでムリせず、25分てところ。
>それでもすごいスッキリ。
> う〜ん、「象さん」、イイです。あ、このコーナーのテーマ、「いつ”増産”して
>るか?」でしたよね。私は5月末までは、週3〜4回、30分ほどウォーキングをし、
>筋トレをして「ザバスサブレ」をぼりぼり食ってました。しかし、このタイプ、
>そもそも「トリプトファン」は体内で各所から「引っ張りダコ」になり、頭に行かず
>筋肉に行ってしまいます。吸収度合いにも問題アリ。管理人さんオススメの
>「粉末状」に切り替えます。
たねいちさんのサイトでは脳を詳しく&分かりやすく解説しているので、勝手にライバル
扱いしてこっそりチェックしているのです。
http://ameblo.jp/taneichi-5910/
うつ病コーナーはこっちです
http://ameblo.jp/taneichi-5910/theme-10000296734.html
負けずに勉強しなくちゃ、という気にさせてもらってます。
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「うつ病ドリル」
http://u-drill.jp/
相談窓口(匿名OK!)
http://www13.ocn.ne.jp/~read_me/utu/form_mail.html
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| 2005年07月06日 20:56 | | この記事のアドレス URL |
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