栄養補給はうつ病に効かないはず

お名前:むー さん

うつ病患者を家族にもつ者です。
サプリ療法を4か月ほど試してみたのですが,全く効き目がなかったので止めました。

今,冷静になって考えてみますと,栄養補給でうつが良くなるという発想には無理があるように思います。なぜなら,周知のとおり,セロトニンは98%以上が脳以外の体内にあるからです。
もし,脳内のセロトニン濃度の低下が栄養不足によって引き起こされているとしたら,うつ病になると同時に,身体もボロボロのはず。消化器をはじめとする臓器の多くが機能できない状態になっていなければならないのです。

だから,栄養不足で飢餓状態にあるうつ病患者には効果がある可能性もありますが,それ以外の患者には影響はないでしょう。


管理人より:

お力になれず残念です。
おそらく薬も試された末の結果と思いますが、今はどのようなことを試されていますか?
今までの過程や試された方法を教えて下されば、何かお力になれる知恵を出せるかも知れません。
以下にお答えを書きますので、何か気になる点があればまた書き込み頂きたいと思います。
それがうつ病回復のきっかけになるかも知れません。

長くなりますので、先に私の結論を書いておきます。

・栄養だけでは治りません
・栄養が足りていてもセロトニン不足は起きます。その場合でもアミノ酸補給+生活習慣改善で
 さらにセロトニン量を増やすことが出来ます。
・他の方法を一緒に探っていきましょう


(以下、一部省略の部分や話題が前後する部分がありますが、論旨は保っていると思います)

>サプリ療法を4か月ほど試してみたのですが全く効き目がなかったので止めました。
(略)
>栄養不足で飢餓状態にあるうつ病患者には効果がある可能性もありますが,
>それ以外の患者には影響はないでしょう。

このサイトの方法(「サプリ療法」ではなく「運動やリラクゼーションを含めた生活習慣全般の改善」です)が完全なものでないことは当然承知していますが、うつ病では

・食事量が減る(もしくは炭水化物ばかり食べる)
・代謝が悪くなる(摂っても利用できない)
・必要量が多い(病気の人は健康な人よりも数割〜数倍多くの栄養素が必要)
・日本人の栄養充足率はギリギリ〜不足気味である

という理由から栄養不足であることはほぼ間違いないと見ています(逆に栄養が十分であることを示すデータなどは見つかりません)。

飢餓状態(欠乏症が出る状態)は栄養失調の本当に末期の状態ですが、体の失調はそれより前から出ますので、飢餓状態でない(欠乏症でない)から栄養が足りていると判断するのは早いと思います。例えば慢性的な軽い鉄分不足では分かりやすい症状はなく「なんとなくだるい」感じが続きます。
充足と飢餓の間には広いグレーゾーンがあり、そこでは多くの不調が出ます。

ただし、(おわかり頂けていると思いますが)うつ病は栄養不足とイコールではないので、栄養補給だけでは改善しないのも確かです。
栄養補給は基本であって全てではありません。

頂いた内容からすると栄養補給を特に重視されたようですが、他に生活習慣の改善は何かできましたでしょうか?
症状が重くてあまり身動きが取れない状態なのでしょうか?


>栄養補給でうつが良くなるという発想には無理があるように思います。
>なぜなら,周知のとおり,セロトニンは98%以上が脳以外の体内にあるからです。
>もし,脳内のセロトニン濃度の低下が栄養不足によって引き起こされているとしたら,
>うつ病になると同時に,身体もボロボロのはず。
>消化器をはじめとする臓器の多くが機能できない状態になっていなければならないのです。

これは

・脳と体は別々にセロトニンが生産・消費されるので、脳のセロトニン濃度だけが
 低くなることはあり得ます
・脳以外のセロトニンの働きは血液凝固、消化管・血管・気管支などの活動、
 抗重力筋(姿勢を維持する筋肉=腹筋・背筋など多数)の活動などです
・セロトニン不足は栄養不足だけで起こるのではありません
・セロトニン不足はうつ病の症状の一部であり、また原因ではなく結果の1つです

という点をご理解頂ければと思います。

脳と体の間はセロトニンが往来できず、別々に生産・消費されています。

脳:2%
縫腺核(ほうせんかく)が作る。脳で消費する。
神経伝達物質として働く。

体:98%
小腸のエンテロクロマフィン細胞が作る(90%)。血小板に入って血液中を巡る(8%)。
出血した時の止血、消化管・血管・気管支などの収縮活動、抗重力筋の活動に使われる。
体で作られたセロトニンは脳血液関門に阻まれるので脳に入れない。
そのため体のセロトニン濃度と脳のセロトニン濃度は連動しない。

このように脳と体では別々ですので、脳のセロトニン濃度だけが下がることがありえます。
体のセロトニン濃度はうつ病でも高いままです。うつ病の診断で血液中のセロトニン濃度を測らないのはこのためです。

また、飢餓状態でない状態であってもセロトニンの材料を取り入れると脳のセロトニン濃度が上がることがわかっています。
トリプトファンによって脳のセロトニン濃度が上がるのは動物実験では分かっています。
人間で 5-HTP というアミノ酸(トリプトファンとセロトニンの中間物質)のサプリメントを抗うつ剤と併用してはいけないことになっているのは、このアミノ酸を摂るとセロトニンが急激に増えすぎることがあるためです。

(再掲)
>もし,脳内のセロトニン濃度の低下が栄養不足によって引き起こされているとしたら,
>うつ病になると同時に,身体もボロボロのはず。
>消化器をはじめとする臓器の多くが機能できない状態になっていなければならないのです。

栄養が足りていてもセロトニン不足は起きます。
また、体のセロトニン濃度が低下している人も実際にいるのではないでしょうか?
例えば消化器官の異常はメンタルの病気ならたいていは付いてきますし、抗重力筋も働きにくくなって同じ姿勢を維持しにくいのではないですか?
ただしこれらはセロトニン不足以外でもよく見られるものですので、体のセロトニン濃度が減っていることにはならないのですが。

セロトニン不足は栄養不足が一因ではありますが、それだけでは起きません。
栄養が十分でもセロトニンを作る機会がなければセロトニンは増えません。
そのために運動や 2,500ルクス以上の光によって縫腺核を刺激し、セロトニンの生成量を増やす必要があるのです。

また、セロトニン不足はうつ病のメカニズムのごく一部であり、セロトニン不足を解消するだけではうつ病は改善しません。

現時点で、うつ病の症状のもとは

・脳の血行不良 = コルチゾール過剰
・脳細胞の死滅 = 細胞を守る BDNF という物質の不足
 (セロトニンはその BDNF を作る材料のうちの1つ)

らしいということが分かっています。

正常な人は上記の異常がなく、セロトニンが不足すると気分が落ち込みます。
うつ病では上記の異常があるために、セロトニンを補充しても気分が戻りません(セロトニン以外の要因で気分が落ち込んでいます)。
そのため、抗うつ剤を飲むと30分ほどで脳のセロトニンが補われるのに、うつ病は30分では改善しないのです。

以上、うつ病回復のヒントになれば幸いです。

他の手段やテクニックとして、薬物代謝酵素をわざと邪魔して薬の働きを強めたり(薬がすぐ分解されてしまう体質の人もいます)、併用注意のトリプトファン製剤をわざとつかったり、磁気治療を受けたりと大小様々な手段もありますので、よろしければ今までの過程や取った方法など、またお教え下さればと思います。

情報を頂ければこちらでも出来る限り調べます。



 

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  | 2005年08月07日 17:50  | この記事のアドレス URL  |

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