パキシル副作用で自殺増加、未成年だけでなく30歳くらいまで

パキシルは日本で売り上げ1位の抗うつ剤で、SSRI ってタイプの薬です。
この薬で数百人〜1,000人に自殺の恐れあり、というニュースです。

今日の各紙に一斉に出ました。文面は全紙同じ。

自殺の試み増える恐れ パキシルで厚労省注意喚起

 厚生労働省は14日までに、抗うつ剤パキシル(一般名・塩酸パロキセチン水和物)の添付文書に「若年の成人で自殺行動のリスクが高くなる可能性が報告されており、投与する場合は注意深く観察すること」との記述を加えるよう指導、製造販売元のグラクソ・スミスクラインは添付文書を改訂した。

 米食品医薬品局(FDA)が5月に、同様の警告を発表したことを受けた措置。

 厚労省によると、患者を対象にした海外での臨床試験で、パキシルを服用した3455人中11人(0・32%)が自殺を試みた。偽薬を飲んだ1978人では1人(0・05%)だった。自殺行動は18−30歳で多かった。

(共同通信社)


今回の話の的は

慎重に投与すべき範囲を「未成年」から「若い成人」(今回の場合は18〜30歳を想定している模様)まで広げた

という部分です。

「未成年の自殺が増える」というニュースは、以前にありました。
 → 抗うつ薬「自殺の危険性あり」 使用上の注意を改訂

それが未成年だけじゃないということになったので、今月になって薬の説明書が訂正されました。
 → 訂正されたパキシルの取扱い説明書(2006.6訂正)

訂正部分の主なところは以下の2点です。

p.2 重要な基本的注意
(3) 若年成人(特に大うつ病性障害患者)において、本剤投与中に自殺行動(自殺既遂、自殺企図)のリスクが高くなる可能性が報告されているため、これらの患者に投与する場合には注意深く観察すること。(「その他の注意」の項参照)

p.4 その他の注意
(2) 海外で実施された精神疾患を有する成人患者を対象とした、本剤のプラセボ対照臨床試験の検討結果より、18〜24歳の患者において、統計学的に優位な差はなかったものの、プラセボ群と比較して本剤投与群での自殺行動(自殺既遂、自殺企図)の発現頻度が高かった(本剤投与群776例中17例(2.19%)、プラセボ群542例中5例(0.92%))。
また、大うつ病性障害の患者において、プラセボ群と比較して本剤投与群での自殺企図の発現頻度が統計学的に優位に高かった(本剤投与群3455例中11例(0.32%)、プラセボ群1978例中1例(0.05%))。なお、本剤投与群での報告の多くは18〜30歳の患者であった。(重要な基本的注意(3)」参照)

日本語に訳すと「うつ病以外ならもしかして自殺しやすくなる、うつ病ならほぼ確実に自殺しやすくなる。増加人数は全体の0.2%〜0.3%程度」ということです。
パーセントで見ると些細な問題に見えますが、パキシルを飲んでいる人なんて日本だけでも数十万人は確実にいるわけで、今回の件の対象者は数百人〜1,000人くらいにはなるはずです。

パキシルの副作用発生率はもともと50.0%と低くない数字なので、「SSRI は副作用も少なくて安全な薬です」なんて言ってる場合じゃないんですが、そんな本当のことを言うとみんな医者に来なくなっちゃうので、そっちの方が問題だったりします。

当サイト(うつ病ドリル)は決してアンチ抗うつ剤ではないのですが、SSRI の危険性がどんどん明らかになって注意書きが長くなるのを見て来ているので、複雑な心境です。

管理人の抗うつ剤に対する考え:

絶対安全な薬や治癒率100%の療法なんてあり得ないので、効果と副作用を天秤にかけて療法を選んでいくしかありません。
現時点で抗うつ剤は「言われるほと効かないし副作用も多いが、飲まないでうつ病を悪化させるよりはずっと良い」と考えています。

 

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  | 2006年06月14日 21:32  | この記事のアドレス URL  |

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