良い本ありました:今月の書評(2006年9月)
  【梅一夜】
  【五七歳にして、「躁うつ病からの奇跡の生還」】

最近出た本の中から、読んでみて「当たり」だったものをご紹介。
2006年の9月分です。


梅一夜平野洋子著 2006.6.30 祥伝社

 神奈川県の湯河原温泉で旅館を営む著者の私小説であり、第5回湯河原文学賞受賞作。
 ある早朝に睡眠中の「私」を襲った、突然の激しい動悸と息苦しさ……。精神科でパニック障害とうつ病と判断され、闘病の日々が始まります。湯河原の美しい自然や四季折々の催し事を背景に発病と治療の経緯、その間の「私」の心の動きが丁寧に綴られていく様子は、短い文章量ながらかなりの読み応えです。圧巻なのは、快方に向かったと喜んだ途端に病状が再び後退した時の「私」の慟哭の描写。昨日は洗面所の掃除ができたのに今日はそれができない。これは怠け心なのか?病気のせいなのか?と苦悩した「私」はこう叫びます。

「もしも人間に『生きる資格』がいるとしたら、今の私には明らかにそれが無い!」

 うつ病をはじめとする「心の病」治療の段階で病状の一進一退は避けては通れないものですが、それがどれほど患者に精神的打撃を与えるかが伝わってきます。
 「私」を温かく見守り続けた夫の「お前が失ったものは何も無い。得るものばかりで失うものが何もなかった一年」という言葉が読後も胸に残ります。

うつ病、うつの書評-五七歳にして、「躁うつ病からの奇跡の生還」五七歳にして、「躁うつ病からの奇跡の生還」
伊集院達彦著 2006.9.15 文芸社

  著者は躁うつ病の薬を一度に大量に飲んで病院に運ばれます。退院してから自宅療養を続ける中での精神的変化を追った回顧録……のようなものでしょうか。
 正直な感想を書くと、読み物としての完成度は低い。しかし、一人の人間の思考の流れが素直に描写されているという点では心に残る一冊だと思います。

 仕事の忙しさ、休養の必要を上司に訴えるが冷たく電話を切られたことが直接の発病のきっかけらしいなどの他は、詳しい病状の経緯は語られていません。
 治療についてもどんな薬を飲んでいるかといった専門的な情報はなく、「長くかかっても今度こそ絶対に治す!それまでは会社も休む!」と決心し自ら立てた3つの目標(規則正しい生活のリズムを作る、クヨクヨと考えない、「マイナス思考」から「プラス思考」へ)を軸にした生活を紹介するのみです。
 ただ、やみくもに自己理論を貫いているわけではありません。病院で参加した「集団認知療法」で学んだ「客観的思考」を元に徐々に著者の思考と視野が柔軟になっていき、それがそのまま病気の快方に向かっている様子が伺えます。


森のモモ



 

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  | 2006年09月21日 10:14  | この記事のアドレス URL  |

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