2 休職は怖くない - メリットとデメリット

そもそも休職ってなに?
「休職」とは、会社に籍を残しつつ、仕事を一時的に休むことです。
多くの会社は、主に正社員を対象に「病気やケガで一時的に働けなくなった時、しばらく休みを取らせて回復を待つ制度」を設けています。就業規則に書かれたこの制度を利用して、いわば合法的に長期休暇を取ることを「休職」といいます。
全ての会社が休職制度を持っているわけではありませんが、あなたの勤める会社の就業規則に「休職」という項目があるなら、それは社員の立派な権利。活用しない手はありません。
もちろんうつ病等、心療内科の範疇に入る病気でも休職することができます。

就業規則の例 休職

「第○条 休職
従業員が次の各号の一に該当する場合は、原則としてそれぞれ定める期間休職を命ずる。
1.業務外の傷病(私傷病(*1))のため、引き続き○日を超えて欠勤したとき。{○ヶ月間}
2.自己の都合による事故欠勤が、引き続き○日を超えたとき。{○ヶ月間}
3.(略)
4.(略)
5.(略)」

*1 私傷病
仕事が原因ではない病気・ケガを指す。労災(労働災害)の対語。

自分が休職できるかどうかを知りたいなら、勤めている会社の就業規則をチェック。「休職」の項目があったら、あなたにも休職する権利があります。(もし「休職」の項目がなかったら?→休職の手続きマニュアル Q&Aへ


休職のデメリットは意外に少ない
休職、すなわち一定期間仕事を休むと思い浮かべたときに、どうしても気になるのがデメリット。休職すると何が不利になるのか、具体的に見ていきましょう。

  • 休職期間中、得られる収入は満額ではなくなる(会社によっては補助金等の上乗せで、一定期間は満額もらえるケースもある)
  • 休職を一切しなかった社員に比べればキャリアが劣るため、昇進スピードに響く

休職期間中、給料が減り、社内キャリアが劣るのはとてもつらいし、悲しいことです。でも意外や意外、実は休職のデメリットはこのくらいしかありません。


休職のメリットは思ったよりたくさんある
一方、休職することで得られるメリットはたくさんあります。

  • 額は減るものの、休みの間も手当が支給される
  • 会社での身分は確保されているので、いつでも復帰できる
  • その上で仕事から完全に離れてゆっくり休養でき、寝たいだけ寝られる
  • じっくり自分と向き合う時間がとれる
  • だんだん仕事をしたくなってくる
  • そして、うつ状態が劇的に良くなる

特に最後の「うつが劇的に良くなる」メリットははかりしれません。うつ真っ最中の今はとても信じられないかもしれませんが、うつ病が良くなるだけで、仕事が億劫ではなくなります。朝起きるのも楽になり、毎日楽しく過ごせるようになります。毎日死ぬ思いで会社に行っている今がウソのようですよ。


休職中にもらえるお金 傷病手当金
「でも、仕事を休んだら収入がゼロになるのでは?」いえいえ、それは大きな誤解です。上でも少し触れましたが、実は休んでいる間も一定額の手当が得られるんです。
手当の名称は「傷病手当金」。会社からの賃金の代わりに、健康保険から支給されるものです。額は法律により標準報酬月額の6割と定められていますが、企業によっては労働組合などが上乗せ支給してくれることもあります。
気になる支給期間は最大1年6ヶ月。思いのほか手厚い保護はまさに「保険」、今まで高い健康保険料を払ってきた甲斐があるというものです。


休職してから復帰はできる?
定められた休職期間内にきちんと回復すれば、必ず復帰できます。なぜなら、休職制度は病気で働けなくなった従業員に一定期間の猶予を与え、健康回復を待つための制度だからです。就業規則には「復職」という項目で具体的に定められていることが多いので、あわせて確認しておきましょう。

就業規則の例 復職

「第○条 復職
1.休職期間中に休職事由が消滅したときは、原則として原職務に復帰させる。ただし、原職務に復帰させることが困難であるか不適当である場合には、異なる業務につかせることがある。
2.休職期間が満了してもなお休職事由が止まないときは、休職期間の満了をもって退職とする。」

いかがですか? うつで仕事がつらくて「もう辞めよう」と考えているなら、決断にはまだ早いかも。辞める前にいったん休んで、じっくり治療してみるのも手かもしれませんよ。
思い切ってきちんと休んで、うつをきっちり治して、また働きましょう!


休職決断に関するQ&A

・休職を申し出たらクビになったりしませんか?

就業規則に「休職」があるなら、企業は原則としてこの手順を踏まなければなりません(裁判での判例あり)。万が一休職前にクビをほのめかされた場合、不当解雇に当たる可能性があります。自分からは絶対に退職願を書かずに、労働組合または労働基準監督署に相談してみましょう。


・再就職の面談時には「以前うつ病で休職したことがある」と伝えるべきですか?

現時点では、積極的に話すのはおすすめできません。日本でうつ病患者が増え、また十分に治らないまま社会復帰をしようとして休職を繰り返すケースが目立ってくる中で、企業側がうつ病の病歴に敏感になっている情勢があるためです。
面談で「うつ病でしたか」とズバリ聞かれたら正直に答えるしかありませんが、自分から進んで話すのは避けた方が賢明です。もし履歴書の空白期間について聞かれたら、「体調を崩して休んでいましたが、今は平気です」と答えるか、もしくは「仕事を離れて人生考えてました」「家庭の事情で……」とはぐらかした方が良いでしょう。


・今後転職した時、前職での休職は、社会保険や税金などの履歴か何かでバレますか?

休職の事実が公的機関からバレることはありません。前の企業に問い合わせることは法律で禁じられています。保険料や税金の額で、場合によっては察しがつくかもしれない程度です。以下で細かく説明します。
そもそも「休職していた」事実そのものの記録が、公的機関に自動的に記録されることはありません。なぜなら、休職の事実を公的機関に届け出る制度がもともと存在しないためです。
唯一、離職票の備考欄には「○月〜○月まで休職」とハッキリ「休職」という単語が書かれますが、離職票は自分でハローワークに提出する書類なので、自分から開示などをしない限り、次の会社に知られることはありません。しかも載る履歴は離職日までの1年間だけで、外部からの照会は不可能です。
ただし、休職中の給与減額に応じて支払額が大幅に変わる保険や税金、例えば「雇用保険」「所得税」「住民税」の額で、場合によっては察しがつくかもしれません。しかしこれらの情報から分かるのは「支払われた給与が少なかった」ことだけで、理由が休職かどうかまで正確に知ることはできません。つまり「前の会社は給料が少なかったんですよ〜」とシラを切れば、それ以上の追及はできないのです。
加えて、前の企業に休職の事実を直接問い合わせることは、労働基準法により禁じられています。よって自分からバラさない限り、休職していた事実そのものを知られることはないと言えるでしょう。


佐藤未果


この記事の参考リンク

休職の定義:


傷病手当金について:



 

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  | 2007年02月13日 23:37  | この記事のアドレス URL  |

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