うつ病と循環器疾患は、お互いに悪化させあう

循環器疾患とうつは互いに悪循環、という話題です。

Depression Fact Sheet(身体疾患とうつのエビデンス集)「循環器疾患とうつ」

パキシルで知られるグラクソ・スミスクライン社によるうつ・不安情報サイト「Paxil.jp」では、身体疾患とうつとの関連について調査報告資料を掲載しています。その一つが今回の「循環器疾患とうつ」です。
以下にいくつかまとめます。


循環器疾患はうつ状態を起こしやすい

  • 急性心筋梗塞患者の42%に抑うつ症状
  • 高血圧患者の約3割にうつ状態

うつ病の発症率は普通1割といわれていますから、循環器疾患の患者さんにはうつが多いといえます。


循環器疾患+うつで危険度アップ

  • 60歳以上で高血圧+うつ病=心不全発症が2倍以上
  • 心筋梗塞+うつ病=うつ病が重症であるほど死亡率上昇
  • 急性心筋梗塞+抑うつ症状=循環器疾患の再発・死亡率が1.4倍


セロトニンと循環器疾患
うつ病の発症にはセロトニントランスポーター(神経の外で余っているセロトニンを神経の中に再取り込みするタンパク質)の働きが関係しているという説がありますが、このセロトニントランスポーターが循環器疾患にも関係する、という報告も載っています。
ヒトのセロトニントランスポーターには、L型・S型2種類の遺伝子があることがわかっています。(→参照コラム「遺伝子で決まる? うつのなりやすさ」

そして

  • S型保有者はL型保有者よりうつ病を発症しやすい
  • 日本人はS型の遺伝子をもつ割合が高い
  • 日本人の心筋梗塞患者の調査では、S型を持つ患者には抑うつ症状が多くみられ、心血管疾患の発生率も高かった

とのことです。

また藤田保健衛生大学のグループがまとめた『(PDF)VDT 作業ストレス負荷の心身に及ぼす影響』という文献で、血液中のセロトニンがストレスによって増えることが報告されていますが、血中セロトニンの増加は循環器疾患にも影響すると書かれており、セロトニン自体も循環器疾患の悪化要因とみられています。

ストレスが循環器障害を起こすメカニズムについては、『セロトニンの新しい作用』(高田正信、供田文宏:「医学のあゆみ 191」)という文献に詳しく載っています。
購入しないと見ることができないのですが簡単にまとめると、次の1〜8のようになります。

  1. ストレスがかかる
  2. アドレナリンが放出される
  3. 血小板を刺激
  4. 血小板がセロトニンを放出
  5. セロトニンが周りの血小板をさらに刺激
  6. 血小板が集まってしまい血の巡りが悪くなる
  7. セロトニンが血管を刺激するので血管が収縮し、さらに血の巡りが悪くなる
  8. 結果、循環器障害が悪化


ストレス解消の一服、に要注意
前述のように、ストレスが血管に悪影響を及ぼし、循環器疾患につながるわけですが、ストレスは別のルートからも循環器疾患を引き起こします。

「循環器疾病とうつ」には、うつ病が心疾患に影響するというモデル図も載っています。
うつ病などのストレス因子は、次の3つの経路から、心血管疾患に影響を及ぼすとのことです。

  1. 喫煙、バランスの悪い食生活などの「行動的危険因子」が増加する
  2. コレステロールが血管にたまって動脈硬化が起き、心血管疾患が起きやすくなる
  3.  1.2.によりライフスタイル改善が難しくなり、ストレス因子も増加し、心血管疾患を繰り返しやすくなる

まさに悪循環です。個人が意識して防ぐことのできる「行動的危険因子の増加」にはせめて注意したいものです。


本郷玖美



 

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  | 2007年06月29日 10:16  | この記事のアドレス URL  |

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