パキシルの自殺は、服薬1ヶ月を過ぎればそれほど怖くはない

パキシルで自殺者が増加? というニュースです。

抗うつ剤:自殺増加 シェア25%「パキシル」副作用の疑い――厚労省「適正使用を」

抗うつ剤「パキシル」の副作用が疑われる自殺者が2005、2006年度と2年連続で2ケタに増えたことが厚生労働省などの調べで分かった。

パキシルの副作用と疑われる症例のうち、「自殺既遂」(=自殺による死亡)の数は
2003年度以前……1ケタ?(報告義務がなかったため未調査)
2004年度…… 1件
2005年度……11件
2006年度……15件

自殺行動が表れた「自殺企図」も、
2003年度以前……1ケタ?(同上)
2004年度…… 2件
2005年度…… 2件
2006年度……24件

パキシルの推計売り上げは年々増え、
2001年……約120億円
2006年……約560億円
で、抗うつ剤全体の約25%を占める。
一方、厚労省の患者調査では、うつ病などの気分障害も9年で倍以上。
1996年……43万3000人
2005年……92万4000人

(内容を保つように編集済み)

パキシルの添付文書にも、「投与中に自殺行動(自殺既遂、自殺企図)のリスクが高くなる可能性が報告されているため、これらの患者に投与する場合には注意深く観察すること」という注意事項が記載されています。

ただ、以前のニュースでもとりあげたように「抗うつ剤で自殺未遂が増えても自殺者は減る」という報告もあります。

さらに、パキシルの話ではありませんが「SNRIベンラファキシンは自殺増加の原因ではない」という報告もあり、これは薬剤によって一見自殺リスクが上昇するように見えても、実際は薬剤を投与される時点ですでにうつ病が重症だったためである可能性がある、と述べています。
ただ、この報告で「どの薬剤でも投与開始から30日以内は自殺リスクが上昇する」と述べられており、投与開始直後は特に注意が必要とのことです。


最初にあげたパキシルのニュース中に、杏林大学の田島治教授の話が載っており、そこでも投与開始直後の危険性についてこのように語られています。

 パキシルはうつ病に有効で、自殺関連の副作用が表れるのもごく一部とみられる。ただ、投与後、最初の9日間は慎重に様子をみて注意が必要だ。また、うつ病を早く見つけ、治療するという流れにのって、軽いうつ状態にまで、すべて薬を投与するのは問題だ。

この「投与後最初の9日間」については以前このサイトでも紹介しましたが、その元となる文献(英語。読むにはリンク先で無料の会員登録が必要)によれば、抗うつ薬全般で自殺行動を起こす割合は、3ヶ月以上飲んだ時を1とすると

1-9日目  4.07倍
10-29日目 2.88倍
30-89日目 1.53倍

となっています。


先の田島教授の話のように、何でもかんでも薬に頼るというのは問題かもしれませんが、かといって副作用を恐れるあまり薬を飲まず、結局うつを悪化させるというのは本末転倒な話です。
「自殺増加」などと聞くと不安になりますが、自己判断で服用を中止するのはより危険なのではないでしょうか。


本郷玖美

 

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  | 2007年07月03日 16:58  | この記事のアドレス URL  |

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