症状の重い人が、まずすること
身動きさえ辛くてたまらないほどの人は、「治りたい」という気力さえゼロ。私にもそんな時期があったから分かる。「どうやったら治りたくなるか?」という出発点で「ああでもない、こうでもない」と堂々巡りしてしまうのだ。
そんなあなたは、まず「治る気になる」という自分作りから始めよう。以下のものを飲むだけで気分が楽になり、前向きな思考が戻ってくる。理屈はあとで詳しく書くから安心して欲しい。今は考える力がないだろうから、まずは考える力を取り戻し、治る気になるところから始めよう。
では、以下のものを買いそろえよう。品名は具体的な商品の紹介にリンクしてある。近所で買えるものがあれば近所でそろえよう(買い物は家族や友人の力を借りよう)。あなたにとって、今は値段より時間の方が大事だ。通販の配達待ちで1週間つぶすより、今日の夕方行ける薬局・ドラッグストアを使う方が良い。この沈み込んだ気分から1日でも早く抜け出せるならば、1000円や2000円高くても構わないと私は思う。
以下、買うべきものリスト。優先順位順に並べてあるので、予算の範囲内で上から順に揃えて欲しい。
●アミノ酸:
プロテイン(たんぱく質)粉末。体内でセロトニンやノルアドレナリンの材料になる。プロテインは様々な会社から様々な商品として発売されているので、他の商品でも構わない。
プロテインを買う時の条件:
- 原料が大豆またはカゼイン
- アミノ酸スコア = 100 と書かれている
- 商品 100g 中のたんぱく質の量が 75g 以上、なるべく多いもの
- カルシウムに対しマグネシウムが 50% 以上含まれているもの(例えば、カルシウム 600mg に対しマグネシウム 300mg 以上)
もしくは、カルシウムもマグネシウムも全く含んでいないもの
プロテインにはその原料によって「大豆」「カゼイン」「ホエイ」があるが、ホエイはうつ病には適さない。ホエイは一気に体内に吸収されて後が続かずアミノ酸切れになるからだ(大豆やカゼインはゆっくりと吸収されるのでアミノ酸切れを起こしにくい)。また、ホエイプロテインが一気に吸収されるということは肝臓の負担になるうえ、使い切れなかった栄養分が脂肪になって太りやすい。
注意:アミノ酸ゼリーやアミノ酸ドリンクはほぼ例外なくうつ病に必要なアミノ酸(トリプトファンとフェニルアラニン)を含まないので不可。
プロテインは肝臓に負担を掛けるが、過度の心配は不要。例えばスポーツ選手は 100g 以上のホエイプロテイン(プロテインの中で最も肝臓に悪い)を毎日数時間単位で飲み続けているが、それが原因で体調不良になったり運動効率が落ちたりはしない。
肝臓は鍛えられない臓器なのでスポーツ選手が我々より強い肝臓を持っている訳ではないし、彼らもプロテイン以外にビタミン剤やクレアチンなどのサプリメントで肝臓に負担を掛けている。
●ビタミン・ミネラル総合剤:
体の様々な代謝を正常に戻す。アミノ酸をセロトニンやノルアドレナリンに加工する時にビタミンとミネラルが使われるので、その補充。現代の生活ではビタミンもミネラルも不足しがちだし、ストレスが掛かると湯水のように消費され体外に出てしまう。例えば、1日分のビタミンCはタバコ1〜2本を吸ったりほんの数十分イライラするだけで消費されてしまうのだ。
この商品以外のものを買う場合は、少しでも多くの種類のビタミン・ミネラルを含んでいるものを買おう(その場合、ビタミン剤とミネラル剤は別々に買った方がより広い栄養素をカバーできることが多い)。
注意:日本の店頭で手に入るものは、よほど高価なもの以外は粗悪な品であり、効果を望めない。コンビニやドラッグストアで手に入るものはほぼ全て安価な合成品であり、天然に比べて吸収率が数分の一しかない。しかも必要な量(1日所要量)ギリギリかそれ未満しか含有量がなく、事実上意味がない。栄養所要量は「すでに健康な人がストレスなく肉体労働もせずにいて、栄養の欠乏症にならない量」であって、日常生活ではその数倍、病気や怪我をしている人はもっと必要になる。
天然と合成のビタミンの差はここに書ききれないが、優れた順に書くと以下の順になる。
- 天然無精製(高価、だいたい月\10,000〜)
目的の物質のほか、吸収を補助するバイオフラボノイド(ビタミンP)や抗酸化物質といったものも含まれている。ビタミン・ミネラルというよりは食品に近い。日本製ではほとんど見られない。海外でもあまりない。 - 天然精製(やや安価、だいたい月\5,000〜)
ビタミン:植物などから抽出したもので、目的の物質以外はほとんど含まない。大量に摂っても意味がないこともある。例えばビタミンCの利用のために体内でビタミンPが使われるが、天然精製ビタミンCを大量に摂るとビタミンP欠乏になり、ビタミンCの吸収効率が落ちる。無精製ビタミンだとこれは起こりにくい。
ミネラル:鉱物由来のもの。ドロマイト(石灰岩)に含まれる炭酸マグネシウムなど。これらは天然には違いないがほとんど吸収できない粗悪品。残念なことに日本のミネラル剤の主流。 - 合成(非常に安価、だいたい月\1,000〜\3,000)
ビタミン:全く別のものから作られたもので、化学式は同じでも構造が違う(異性体と言う)ために体に吸収されないものもあり、天然精製より劣る(少なくとも天然であれば合成よりは吸収率がマシ)。
ビタミンEやH(ビオチン)は天然と合成で吸収率が違う代表格。A、B、C、Dは違いがないとされている。
合成品も、天然精製品と同じ理由で大量に摂っても意味がないことがある。
ミネラル:炭酸マグネシム、水酸化マグネシウムなどの無機物は体にほとんど吸収されない。ただしミネラルはビタミンと違って化学的に加工すると吸収率が上がる。キーレートといって有機物と結合させるのがそれ。クエン酸○○、グルコン酸○○、ピコリン酸○○、アミノ酸○○というのが主なキーレート。ただし日本ではなぜか法律上店頭販売してはいけないので、海外から買うしかない。
粗悪なビタミン・ミネラルの見分け方:
- 成分ではなく原材料の欄に「ビタミン○」などとビタミン名が書いてあるもの。これは合成品の証拠。
- 価格が非常に安い。1ヶ月分が \3,000 を切るのはほぼ間違いなく粗悪な合成品。
- 錠剤が均一な色のものは合成品か天然精製品。 無精製品は様々な色の粒が入り交じって汚く見える。
- 粒が無臭のものは合成品か天然精製品。無精製品は臭い。
- 炭酸○○、水酸化○○など、無機物と結合したミネラルは体に吸収されない。
- 瓶が非常に大きく2〜3ヶ月使える量が入っている。これは使っているうちに中身が酸化してしまう。酸化防止の強力な加工をしている可能性もある。
●必須脂肪酸のうちαリノレン酸:
必須脂肪酸とは脂肪のことで、オメガ3(αリノレン酸)とオメガ6(リノール酸)がある。現代では脂肪と言うと何でも敬遠されるが、脂肪にも体に必要な良い脂肪(不飽和)と不要な悪い油(飽和)があるので、脂肪を全て敬遠してしまうと栄養失調になる。
そして、必要な中でもオメガ6は食用油などでかなり摂る機会があるが、オメガ3はあまり摂る機会がない。理想バランスはオメガ3:オメガ6=1:4だが、現実には多くの人が守れずに1:10くらいとの説もある(なお、加工食品が氾濫する前の食生活では1:1で、これが「本当の理想」だそうだ)。
具体的な量で言うと、1日にαリノレン酸を 2.2g 以上摂るのが理想。
魚で有名な DHA と EPA もオメガ3の一種だが、αリノレン酸を摂ることで体内で合成できる。栄養は根元から摂るのが基本なので、DHA や EPA をサプリメントで買うくらいならαリノレン酸を買うべきだ。ただし、すでに魚(特にイワシやサバなどの脂肪が多い魚)を頻繁に生で食べる習慣のある人は、このサプリメントは不要。
人間の脳は6割が脂肪でできている。特にオメガ3はうつ病に限らず精神の働きに必要だ、ということが理論でも実験でも言われている。知能や精神にトラブルがある人にオメガ3のサプリメントを与えたり魚中心の食生活をさせたら数ヶ月で改善したという話はいくつもあって、うつ病にはシソ油が良いと言うのもシソ油にオメガ3が入っているからだ。
オメガ3が不足すると記憶力が落ちたり知能が遅れるが、摂れば摂るほど頭が良くなるわけではない。あなたの脳の本来の能力に戻るだけだ。
オメガ3に限らず、「必須栄養素」と名の付いているものは欠かしてはいけない。必須だからこそ、欠かせば必ず体調を崩す。
●飲料4リットルくらい(1週間分):
上記のプロテインを溶かして飲むために使う。カルシウムを含まないもの、例えば果物ジュースなどを推奨する。
牛乳や乳酸菌飲料はカルシウムを多く含んでいるため、マグネシウム欠乏症を招くので不可(体内ではカルシウムとマグネシウムは 2:1 の比率で利用されるので、カルシウムだけを多く摂ると体内のマグネシウム備蓄分が放出される)。マグネシウムが欠乏するとノルアドレナリンの生成能力が落ちて無気力になるうえ、不安感が出たり声の震えやこむら返りが起きるようになる。
●ホスファチジルセリン:
大豆抽出物。ストレス軽減剤。コルチゾール濃度を下げて脳の血流を回復させ、思考をすっきりさせるとともに脳細胞を死滅から守る。
通常、ホスファチジルセリンは脳細胞の細胞膜を柔らかくする(神経伝達のスムーズさを改善する)ために販売されており、その時の使用量は1日 100 〜 200 mg 程度。うつ病の場合はこれをコルチゾール抑制のために使うが、その時に効果的な量は 400 〜 900 mg と言われている。なお、800mg 以上を長期に渡って摂り続けても副作用はないらしい。
この商品も各社から出ている。略称「PS」が商品名になっている場合もあるので注意。
●ギンコ(←選択肢がいくつかあるので体質にあわせて選択のこと):
イチョウの葉のエキス。別名「ギンク」。脳の血流を回復させ、思考力を取り戻す。脳細胞の再生を促すためにも使う。
ギンコはいろんな会社から出ているが、健康食品レベルのものと医薬品レベルのものがあり、品質は全く違う(値段も3〜5倍ほど違う)。
健康食品レベルのものは製造途中の加熱で有効成分がほとんど壊れている場合もあるらしく、その場合は買っても全く無駄になる(日本製でたびたびこのレベルの問題商品が見つかる)。
また、アレルギー源となるギンコール酸が医薬品レベルのものは 5ppm 以下に制限されているのに対し、健康食品レベルのものは除去の義務がないため、ものによっては 200ppm もあるとのこと。ギンコでアレルギーになる人は少ないが、アレルギー体質の人は注意。
●ガム2〜3個:
何でも良い。セロトニンの生成能力を上げるために使う。近所のコンビニやスーパーで買おう。
(以上、必須に近いもの。以下は必須ではない)
●リローラ:
ハーブ。ストレス軽減剤。働きは上記の「ホスファチジルセリン」と同じく「コルチゾール低下」だが、こちらの方はそれほど直接作用しない代わりに幅広い効果があり、気分が明るくなるのを助けてくれる。絶対必要ではないので、予算に余裕があれば買って欲しい。
なお、これはダウンしている気分を平常時にまで持ち直すだけのもので、落ち込んでいない人が飲んでも決して気分爽快になるわけではない。
●アセチルカルニチン:
アミノ酸の一種。これがある場合に脳はより早く再生するが、再生そのものを行うのではなく、あくまで補助。基本的には上記のプロテインが消化されれば体内でアセチルカルニチンが合成されるので、絶対必要というわけではない。
なぜ買う必要があるのかと言えば、体の代謝能力が弱っていて体内でうまく合成できない状態になっている可能性があるため(アミノ酸の代謝能力は、20才代をピークに減少する)。
この商品も各社から同様のものが出ているので、どの会社のものを買っても構わない。
これらのものは一気に全部そろえなくても良い。とにかく手に入るものからどんどん揃えよう。今はスピードが最優先だ。
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| 2008年01月08日 16:48 | | この記事のアドレス URL |
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