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日本の自殺対策、今後の方針(後編)
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この記事はシリーズになっています。
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「自殺対策白書」の取組の後編です。
5.適切な精神科医療を受けられるようにする
ここで挙げられている取組は大まかに3つに分けられます。
@国民サイド
ここでは「うつ病の受診率の向上」が掲げられています。
「自殺対策の基本認識」の項にあるように、身近な人が「うつ病かな?」と思ったとき、精神科に行くよう勧める人は89.2%ですが、その中で、では自分がうつ病になったら精神科に行こうと思う人は61.2%。家族には勧めるけど自分では行かない人が多いのです。それを裏付けるように、精神障害者の75.4%が医療機関を受診していません。
しかし、自殺未遂者の4人に3人は何らかの精神疾患を抱えており、その約半数がうつ病と診断されています。
そこで、首相官邸が新健康フロンティア戦略賢人会議を開催し、平成19年度は28%だったうつ病の受診率を、10年で40%に上げるという目標を立てています。
A医療サイド
ここでは、「精神科医をサポートする心理職などの養成」「内科医など、精神科以外の医療従事者がうつ病を正しく診断できるようにすること」「子どもの心の問題に対応できる医者の養成」が掲げられています。
B「うつ病予備軍」サイド
ここでは「要介護状態になる可能性の高い高齢者にうつ病チェックを実施」「慢性疾患に悩む人への心のケア」を打ち出しています。
だれもが正しい診療を受けること。内科などでは当たり前のこのことを精神科でもできるようにすることが、「心の健康」への道です。
6.社会的な取組で自殺を防ぐ
社会的な取組、というと曖昧ですが、これも大きく以下の4つに分けられます。
@相談……子どもも気軽に相談できるように、インターネット人権相談窓口を開設したり、など。
A経済問題……借金(多重債務)による自殺を防ぐさまざまな取組の紹介や、全国50カ所の「地域若者サポートステーション」による若者の就労支援など。
B場所……いわゆる「自殺の名所」での民間団体の取組紹介や、駅のホームに乗り降りするときだけ開く柵を設けるなど。
C情報……インターネットの自殺予告への対応(プロバイダが発信者情報を開示した79人のうち、39人が説得などで自殺を免れている)、WHOの(pdfファイル)「メディア関係者のための手引き」の周知など。
白書にはフィンランドの取組もコラムとして載っています。そこではこのようなサブプロジェクトを40以上も進めた結果、12年で自殺率が30%も減少したといいます。
自殺の動機がひとつでない以上、対策もいろいろあるべきである、という姿勢のあらわれといえるでしょう。
7.自殺未遂者の再度の自殺を防ぐ
「自殺未遂者の10人に1人は、再び自殺を図って実際に命を落とす」という報道もありました。(→過去の関連記事)
「自殺未遂者は、自殺の危険性が高い」という認識のもとに、平成17年から「精神科救急医療センター整備事業」を始め、また救急救命センターに適時精神科医をおくよう都道府県に求める、などとしています。
また、岩手医科大学併設高度救命救急センターでの自殺企図対応フローチャートや熊本県での各医療機関フォロー図など、自殺企図で救急医療を受けた人のフォロー例を挙げています。
8.遺された人の苦痛を和らげる
ここでは「自殺者の遺族のための自助グループの運営支援」「遺族のためのパンフレットの作成・配布の促進」などが挙げられています。
そのほか職場での事後対応について、平成13年に策定した「職場における自殺の予防と対応」について現在行われている見直しで、不幸にも自殺が発生してしまった場合の職場における対応について、充実を図ることとしています。
その他事例として岩手県の自殺者遺族支援、自死遺族支援全国キャラバン、あしなが育英会の取組などが書かれています。
9.民間団体との連携を強化する
休日、夜間を問わない電話相談活動や、自殺を「語ることのできる死」に変えていこうという取組など民間団体の活動を「不可欠」と評価した上でこれらを支援しよう、というものです。
事例として、自殺対策支援センター ライフリンク、日本いのちの電話連盟(リンク先は各地の相談電話の番号)、国際ビフレンダーズ 東京自殺防止センターが挙げられています。
2回にわたり「自殺対策白書」の内容を見てきましたが、一番感じたのは「自殺に対する意識の変化」を求められているということです。
自殺は覚悟の上での自己満足的なハラキリではなく、正常な判断ができなくなるほど追い詰められたあげくの、防ぐことのできる死だと認識すること。
それが自殺予防への第一歩かもしれません。
(本郷玖美)
■カウンセラーが書いた「カウンセラーなしでうつ気分を解消する方法」
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| | 2008年02月07日 15:51 | | トラックバック歓迎 (0) |
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