SSRIばかりが治療ではない
SSRIの有効性についてのニュース、2つです。
パキシル(一般名パロキセチン)、プロザック(一般名フルオキセチン)など4種類のSSRIについて、臨床試験の結果を解析したところ、最も重度のうつ病患者にしか効かないことがわかった。
(内容を保つように編集済み)
この元となるロイターの報道(英語)はこちら。
これによると、
- パキシル
- プロザック(日本では認可申請中)
- サーゾーン(一般名ネファドゾン。日本で治験中)
- エフェクサー(ベンラファキシン。日本では治験中止。通常SNRIに分類されますが、この報道ではSSRIとなっています)
の4種類の薬がFDAに認可申請したときのデータをよくよく見たら、ハミルトンうつ病評価尺度で28点以上という重度のうつ病患者でしか効いていなかった、とあります。
また、「SSRIでもプラセボ(偽薬)でも改善度合いにさほどの差がない」こと、重症のうつ病患者では「プラセボへの反応が低かったので(相対的に)SSRIの改善度合いが上がった」ことを述べています。
もう1つ。
SSRI初期治療に抵抗性を示す青少年うつ病には別の抗うつ薬と認知行動療法の併用が有効
SSRIによる2ヶ月の治療で効果のなかった12〜18歳のうつ病患者に対して、その後以下の4種類の治療を試みた。
@最初に飲んだのとは別のSSRI服用のみ
A最初に飲んだのとは別のSSRI服用+認知行動療法
BSNRI服用のみ
CSNRI服用+認知行動療法その結果、薬の服用のみ(@B)よりも認知行動療法を併用(AC)の方が効果が高かった。
(内容を保つように編集済み)
原文(英語)はこちら。
これによると、最初のSSRIによる治療で効果が現れたのは患者全体のおよそ60%。
残りの40%、334人を上記の4つの治療法にスイッチしたとのことです。
結果、@Bの群で「改善した」と答えたのは40.5%。対してACの群では54.8%だったそうです。
また、SSRI服用とSNRI服用との間に差はなかったとのことです。
何の薬でもそうですが、体質も千差万別なのだから、効き目も千差万別。
「効かないはずがない」とSSRIにこだわりつづけるよりも、治療法における選択肢の一つというふうに、医師も患者も柔軟に考えた方がいいかもしれません。
(本郷玖美)
うつ病ドリル管理人のうつ病実体験から選びに選んだ、
世界最高品質レベルのサプリメントは
■サプリコーナー
うつ病のみなさんと共に選んだ、
ここでしか買えないお役立ち商品!
■商品一覧
![]() |
![]() |
![]() |
統計・データを使ったうつ病講座。 |
医者も使っている国際基準のチェックリストが3つ+1つあります。 |
すぐ使えて根本的なノウハウをまとめてあります。 |
| 2008年03月03日 17:05 | | この記事のアドレス URL |
|
![]() |
似ている記事
■日本うつ病学会治療ガイドライン II.大うつ病性障害 が発表されました■【告知】うつからの就職活動セミナー
■【告知】“うつ”復職支援フォーラム
■「うつ病の頭と体が気持ちよーく楽になるお茶会」
■1名無料ご招待「うつ病の頭と体が気持ちよーく楽になるお茶会(まだ仮称)」
■うつ病のリスクを減らす食生活はコレ!
■精神疾患と肥満、どちらが先?
■自殺予防週間、各県の取り組み
■続々と開発される血液検査でのうつ病診断
■ネットで認知行動療法
■職場にうつ病を打ち明けるか? アンケート結果
■告知「脳と栄養のシンポジウム」
■抗うつ薬、最近の動き
■血液検査でうつ病診断
■遺伝子で決まる? 不眠・うつ・プラス思考の傾向
■SSRIで攻撃性が増す?
■パパのメンタルヘルスは息子の将来を決める!?
■平成20年の自殺者統計発表
続きは → コーナー全記事リスト
■うつ病の深い情報はメルマガで この記事は気に入って頂けましたか? もっと深ーいうつ病情報は、当サイトのメール会報(メールマガジン)に登録された方にだけお送りしております。 うつ病の本の新刊や、うつ病用ツールの新製品などのプレゼントも行っています。 日本で発行されているうつ病のメールマガジンでは読者数1位です。 読者登録は無料です → もっと詳しく&バックナンバー |
トラックバック絶賛受付中!
このエントリーのトラックバックURL:
http://u-drill.sakura.ne.jp/mt/mt-tb.cgi/1996