効く? 効かない? 処方減っても自殺は増えないSSRI

SSRIの効果については、本当に二転三転します。

SSRIの処方制限は若者の自殺と自傷を増やさず

英国で18歳以下の若者について調査した結果、SSRIの使用は半分に減っているが、自殺は安定して減少傾向にあることがわかった。

(内容を保つように編集済み)

元の文献(英語)はこちら

イギリスでは1999年から2003年の間に、抗うつ薬の処方が倍増。
イギリスMHRA(医薬品医薬製品規制庁)は2003年6月から18歳以下の患者にパロキセチン(パキシル)の使用を禁止。また同年末、SSRIを若者に使うことはあまり良くない、とのコメントを出しました。
その結果、2004年以降の処方は激減し、2005年には1999年のレベルにまで下がりました。

一方、1999年〜2005年の自殺頻度は男性3.9%減、女性3.0%減
この傾向は2003年以前も以降も変わりませんでした。
2005年には、1970年中旬以降で自殺率最低レベルを記録したというニュース(英語)も。失業など不安要素が減ったことが大きいと考えられます。

SSRI使用が減って、自殺が増えたとは言えないようです。

しかし、以前とりあげたニュースでは、アメリカやオランダでSSRIの使用が減って自殺が増えた、という話でした。

どちらが正しいのでしょう?

実は、イギリスではSSRIと心理療法を併用した治療が普及しており、これがSSRIの影響を弱めた可能性があります。
また、ネット上ではデータを見つけることができませんでしたが、アメリカでは治療開始後1〜2ヶ月でおよそ半数の患者が治療を中断してしまうという統計もあります。
一概にどちらが正しいのかを決めることのできない各国の事情があるようです。
さらに、抗うつ剤は他の薬と比べて「プラセボ効果」が高く、「効いた」「効かない」が主観的になるという精神科独特の事情も考えられます。

ただ、アメリカでもSSRI処方制限直後の2004年には自殺が増えたものの、2005年には再び減少したというニュースもあります。
「SSRIを処方してもらえなくなるかも」という不安感や「処方されなかったらもうダメだ」という絶望感が、一時的に自殺を増やした可能性もありそうです。

血液検査で抗うつ剤の効き目を確認、というニュースがありました。
この方法だと4〜5日で効果を確認できるとのこと。
SSRIをめぐる「効果がある」「ない」論争に客観的な裏付けができるようになりそうです。


本郷玖美



 

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  | 2008年04月02日 11:47  | この記事のアドレス URL  |

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