遺伝子で決まる? 不眠・うつ・プラス思考の傾向
不眠やうつと遺伝に関連するニュースを集めました。
双子の実験によって、不眠に関連する遺伝子はうつ病や不安にも関与しているということがわかった。
このニュースのサマリー(英語)はこちら。
これによると、研究は8歳から16歳(平均11.9歳)の一卵性双生児749組、二卵性双生児687組を対象にして行われました。
その結果「一卵性双生児では、片方が不眠症だともう一人も不眠症であるという確率が、二卵性双生児の場合よりも高い」ということ、さらに「不眠症、うつ病、不安症の間で遺伝的メカニズムが重複して存在しているらしい」ということがわかりました。
少なくとも若者では、不眠、不安、うつのどれか一つでもあれば、他の症状に関しても遺伝的なものを検証する必要があるようです。
すでにショウジョウバエでは不眠の遺伝子がわかっています。
睡眠を促す遺伝子・sleeplessが同定された
研究の結果、「SLEEPLESS」と呼ばれる特定のタンパク質が欠乏すると睡眠が大幅に低下することがわかりました。
また「SLEEPLESS」タンパク質がある程度低下すると、たとえば徹夜した後にたくさん寝てしまういわゆる「リバウンド睡眠」が大幅に減りました。
このことから、「SLEEPLESS」タンパク質は正常な環境での睡眠や、断眠後の睡眠をコントロールする遺伝子であることがわかりました。
ショウジョウバエではこのほかにも睡眠と覚醒のリズムを安定させる遺伝子、基礎的な睡眠量を調節する遺伝子などがわかっています。
人間への応用が期待できそうです。
また、うつと遺伝に関してはこんなニュースもあります。
うつ病の家族歴を有する人の右側脳皮質はそうでない人に比べて28%薄かった。
このニュースの元(英語)はこちら。
これによると、131人の脳をスキャンした結果、うつ病の家族歴を有する人の右側脳皮質はうつ病の家族歴がない人に比べて28%薄いという結果になりました。
では、右側脳皮質が薄いとどうなるか。実験の被験者に記憶力と注意力のテストを行った結果、右側脳皮質が少ない人ほど、テストの結果が悪かったとのこと。
これにより右側脳皮質が薄いと他の人からの感情的・社会的合図を理解する能力が低下して、うつ病リスクが高まる可能性があるとのことです。
最後に「プラス思考」に関連する遺伝子のニュースです。
すでに「5-HTTLPR」と呼ばれる遺伝子がセロトニンの働きに大きな役割を果たしていることが知られていました。
この「5-HTTLPR」遺伝子には3種類あり、そのうちの2つは「短い遺伝子」と呼ばれて抑うつや自殺に関連があるとされ、また第3の「長い遺伝子」と呼ばれる遺伝子とは異なって「短い遺伝子」を持つ人はストレスの高い状況で神経化学反応が過剰になることもわかっていました。
今回、イギリスの大学の研究チームは、これらの異なるタイプの遺伝子を持つ人が、苦痛を感じる状況と楽しい状況とのどちらにひきつけられるあるいは嫌悪感を抱くかを画像によって調べました。
その結果「長い遺伝子」を持つ人は、恐怖感を与える画像やストレスを与える画像を避け、楽しい画像をよく見ました。一方、「短い遺伝子」のグループはほぼ正反対の反応を示しました。
研究結果は「人生のプラスの面を見ようという遺伝子の傾向が、人生のさまざまな苦痛から立ち直るための重要なシステムとなっている」と結論づけているとのことです。
いずれにしても「遺伝だからしょうがない」とヤケにならずに、自分の傾向として冷静にとらえて対策を考えるほうがよさそうです。
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| 2009年07月02日 14:16 | | この記事のアドレス URL |
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