抗うつ薬、最近の動き

抗うつ薬に関するニュースを3つとりあげます。

まず新薬承認のニュース。

シェリング・プラウ株式会社と明治製菓株式会社は2009年7月7日、両社で共同開発したうつ病治療薬「レメロン(シェリング・プラウ株式会社)」「リフレックス(明治製菓株式会社)」(一般名ミルタザピン)の製造販売承認を取得したと発表した。

この件のプレスリリースはこちら
製品概要によれば、1錠(15mg)を1〜2錠、就寝前に服用(最大3錠まで)し、効能・効果は「うつ病・うつ状態」となっています。

ミルタザピン(Mirtazapine)は1994年オランダで発売。現在90カ国以上で発売されているNaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)と呼ばれる種類の抗うつ薬で、日本でのNaSSAの承認は初めてです。
SNRIと同様にノルアドレナリンとセロトニンの両方に作用しますが、SNRIはノルアドレナリン・セロトニンとも再取込み阻害作用によるのに対し、NaSSAはノルアドレナリン抑制阻害とセロトニン放出推進+受容体ブロックの作用で抗うつ効果を発揮します。(製品概要・作用機序については→こちら

以前取り上げた抗うつ剤の「ランキング」でのミルタザピンの12種類中、「効果」で1位。副作用の少なさを示す「続けやすさ」では同率6位ですが、「総合評価」で3位となっています。

シェリング・プラウ社と明治製菓はミルタザピンをそれぞれ「レメロン(REMERON)」「リフレックス(REFLEX)」の名前で「薬価収載後速やかに発売する」としています。
日本では2006年のジェイゾロフト以来、3年ぶりの抗うつ薬新発売となります。
これによって治療の選択が広がることを期待したいものです。


次に、三環系・四環系抗うつ剤でも攻撃性が増す? というニュースです。

厚生労働省は三環系・四環系抗うつ剤と、フェニルピペラジン系抗うつ剤の計12成分について、添付文書に他害行為などについての注意を喚起する記載を追加するよう、製薬会社に指示した。

このニュースの元記事はこちら。独立法人医薬品医療機器総合機構による、使用上の注意改訂情報はこちら

これによると、厚生労働省は以前のSSRIでの改訂指示と同様、服用者に不安や焦燥、攻撃性などが現れやすくなることや、こうした症状が現れた症例では自殺企図や他害行為などが報告されていることを記載して、注意を喚起する内容を盛り込むよう求めました。

対象となったのは以下の12成分(カッコ内は代表的な商品名)です。
・アミトリプチリン塩酸塩(トリプタノール)
・アモキサピン(アモキサン)
・イミプラミン塩酸塩(トフラニール)
・クロミプラミン塩酸塩(アナフラニール)
・セチプチリンマレイン酸塩(テシプール)
・ドスレピン塩酸塩(プロチアデン)
・トラゾドン塩酸塩(デジレル、レスリン)
・トリミプラミンマレイン酸塩(スルモンチール)
・ノルトリプチリン塩酸塩(ノリトレン)
・マプロチリン塩酸塩(ルジオミール)
・ミアンセリン塩酸塩(テトラミド)
・ロフェプラミン塩酸塩(アンプリット)

これらの薬に関しては「慎重投与」の対象に衝動性が高い患者、自殺念慮や自殺企図のある患者を追加することも求められています。


最後に、過敏性腸症候群にも抗うつ剤が効く、というニュースです。

32の試験の結果を解析したところ、抗うつ剤・心理療法はともに過敏性腸症候群に有効であることがわかった。

このニュースの元(英語)はこちら

これによると、カナダの研究チームがのべ800人の過敏性腸症候群患者を対象にした32の試験結果を解析しました。
32にの試験のうち19は普通の治療と認知行動療法など心理療法との比較、12は偽薬と抗うつ薬との比較、1つは抗うつ薬・心理療法・偽薬3つの比較でした。
その結果、偽薬と抗うつ薬との比較結果では、34%の患者で症状が軽減しました。心理療法でも同様の効果があったと述べられています。


新薬も加わり、うつ病以外の症状にも効果があることがわかるなど、抗うつ薬の使用はさらに広がりを見せるかもしれません。


本郷玖美


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  | 2009年07月28日 14:12  | この記事のアドレス URL  |

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