(コラム)「自分と向き合う」って、どういうこと?

カウンセラーの粟野 剛さんによる隔週コラムです。


うつ病から立ち直るためには、自分の心と向き合うことが大切です!と良く言われます。既にこうしたお話をご存知の方もたくさんいらっしゃるでしょう。私も、自分と向き合うことは、うつ病から立ち直ろうとする方の多くが通らなければいけない関門、と考えています。


自分と向き合うという言葉の意味は、とりあえずここでは「自分でも気付いていない、『本当は好きなのにやっていないこと』『本当は嫌いなのに我慢していること』『平気と思っているけど実は苦しいこと』といったことがらと感情を再確認すること」と思って下さい。

人間は誰しも、本当はイヤなのにその感情に自分でも気付かないままに行動していたり、逆に本当は望んでいるのに、ある思いが邪魔をして行動しないでいる、といったようなことがたくさんあり、これが無意識にストレスをため込む要因になったりもします。そういった本当の感情を確認することで、その行動をやめればいいと気付いたり考え方を変えればいいと気付いたりといった、「変わるためのヒント」を得て、ストレスから解放されるきっかけを作ろう、というのが今回の記事の主題です。

今日は、そんな自分と向き合うための方法をご紹介します。この方法で自分と向き合うことを繰り返していくと、考えが堂々巡りしたり深みにはまってしまうことを避けながら、心を少しずつ軽くしていくことができます。

※注意: 自分と向き合う作業では、どうしても心が揺れ動きます。ご自身でうつ症状があまりに苦しいと思うときには、行わないようにしてください。


思っていることをどんどん紙に書いてみよう!!
やらないといけない仕事、人間関係、将来について思うこと、今の自分など、テーマを区切っても、逆に特にテーマを区切らなくてもかまいません。思っていることをどんどん紙に書いてみましょう。もちろん、向き合うのがあまりに怖い!!というテーマについては、無理してやらなくてもOKです(心が軽くなってきて、気が向いたときに改めて向き合いましょう)。

文として整っていなくても、暗い内容が出てきてもかまいません。弱音や不平不満が出てくるかもしれませんし、そうした自分のネガティブな部分がイヤだ!!と思ったりするかもしれません。逆に、自分では思ってもみなかった、心が明るくなるような考えが出てくることもあります。内容や順番にこだわらず、こうしたいろいろな考えを、どんどん紙に書いていくと、今まで気づかなかった自分の思いや考えが次々に明らかになってきます。書いた紙は、人に見せないようにしましょう。パソコンを使い慣れている方は、テキストファイルなどでこの作業を行ってもOKです。

頭の中だけでこの作業をやると、考えに引きずられて落ち込みを悪化させることもありますが、紙に書いていくと、自然と自分を冷静に見つめられますし、自分についての新たな発見をすることも多いです。


自分のイヤなところをムリに変えなくてOK!
こうして自分に向き合うと、自分にとってイヤなことも出てきます。人間関係が怖い、明るくなれない自分がキライだ、変わろうと思っても変われない自分がイヤだ、などです。でも、ここで無理して自分を変えよう!と努力する必要はありません。できる範囲で自分を見つめていくうち、次第に心も軽くなってきて変わるためのヒントも見えてきます。焦らないことがコツ!です。もし焦りが出ている場合は、その焦っている、という思いも紙に書き出してみましょう。

この方法で自分を見つめると、時としてイヤなことがどんどん出てきて、落ち込みや恐怖感が一時的に増したように感じることもあります。ですが、こうした感情は、普段からあなたが心の底に抱えていたものが出てきただけですので、時間が経つにつれて、心が自然と晴れてきて、最後には前よりも心がスッキリします。もちろん、あまりに苦しい場合は作業を止めてもかまいません。

無理のない、心が辛すぎない範囲で考えを紙に書いていく作業を繰り返すうちに、薄皮をはぐように少しずつ心が軽くなってきて、元気も少しずつ戻ってきます。気分が向いたときに一度お試しください。


粟野 剛



 

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  | 2009年08月28日 14:28  | この記事のアドレス URL  |

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