うつ病のレポート&コラム

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動じない心(不動心)の作り方〜今日からできる2つの方法

カウンセラーの のぶさわ正明 さんによるコラムです。


 皆さんこんにちは。「心の相談ルーム」オアシス大阪の、のぶさわです。
 今回は、「動じない心」の作り方のヒントをお伝えしたいと思います。(うつ病で苦しまれてる方にもかなり有効です)

 私は若い頃は、対人緊張が強く「常に心が動揺しまくり」の状態でした。
その為、仏教や仙道、ヨガ、空手、飛び込み営業(笑)等、ありとあらゆる”修業系”、”自分を鍛える系”の事を実践してきました。
確かに、少しは効果がありましたが(特に飛込み営業)、やはりいざとなったら動揺しますし、それを完全にコントロールできませんでした。

 ところが心理学を勉強して、自分の方向性の誤りに気付いたのです。
それは、つまり「心は動揺するものだし、それをコントロールしようとしてもできるものではない」という事です。(釈迦だって、キリストだって、感情がある以上動揺する場面はあったはずです)

 大切な事は動揺しても、それに巻き込まれない事だと思います。
例えば「あっ、やばい!」⇒「またやっちゃった」⇒「いつもこうなるんだよな」⇒「自分はやっぱりダメなんだな」という、負の思考の自動連鎖が起きて、最終的には自己否定や落ち込みに至るといったパターンが起きなくなればいいわけです。

 仏教や道教等の東洋思想、森田療法等も「あるがまま」という事を大切にしています。
でも一人では難しいし、時間もかかりますよね(笑)
ですから今日からでも実践できる、その負のパターンを変える2種類の方法をお書きします。

ポイントは、どちらも「私は動揺してる」、「私は傷ついた」、つまり「私=動揺」や「私=傷つき」といった、”同一化”から逃れる事が肝心です。
その手段として「@」は丁度幽体離脱のように自分を客観視して自分から動揺を切り離す方法です。
また、「A」は自分全体が動揺してる訳ではない事を知る為に、自分の中の一部分にフォーカスして、動揺を小さくして自分から切り離す方法です。


<動じない心の作り方>

@マインドフルネス (仏教のヴィパッサナー瞑想が元になってます)
 動揺を感じたら、もう一人の自分が客観的に自分をみてるような感じで「これは動揺だ」、「これは恥ずかしさだ」、「これは怒りだ」と、出て来た感情を止めずに、名前を付けてゆく。

そして、それに伴う思考が出て来ても同じように、「これは、”動揺してる自分は格好悪いな”という思考だ」、「これは、”いつでもそうなんだよな、全然強くなれてないな”という思考だ」という具合に、思考に名前を付けてゆく。

そして感情や思考に抵抗せず、出てくるままにさせ、都度名前を付けてゆく。

そして隙があったら、すぐに呼吸に意識を向け(吸気で)胸が膨らんだら「膨らんでる」のを感じ(呼気)で縮んだら「縮んでる」のを感じるという様に、呼吸とそれに伴う「身体の感覚」に常に意識を向ける様にする。

Aフォーカシング
”動揺”や”強い感情”を感じたら、「今、私の脳組織のどこかが働いている」

「そして、どこかの神経系を通して、心拍数や血流や体温、呼吸等を変化させてる」

「同時に、動揺してる部分に違和感を生じさせている。その”動揺があるところ”は、喉かな? 胸かな? お腹かな?」と”違和感”を探ってゆく。

 ⇒”違和感”を見つければ「これに色や形があるとしたら、どんなだろう?」 、「手で触ったとしたら、手触りや温度、重さは?」、「音や匂いは?」と、五感で感じようと意識をそこへ集中する。

 ⇒”ぴったりのニックネーム”をそれに付けて「こんにちは、〇〇君・・・」、「今どんな気持ち?」・・・と会話して行く。


 この中で、ご自分に合ったものを試してみて下さい。

 わからない点がありましたら、「心の相談ルーム」オアシス大阪 のホームページから、メールでのお問い合わせでお願い致します。


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  | 2012年11月07日 15:17  | この記事のアドレス URL  |



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女子レスリング小原日登美選手金メダル〜うつ病を乗り越えて

カウンセラーの のぶさわ正明 さんによるコラムです。


 皆さんこんにちは。「心の相談ルーム」オアシス大阪の、心理カウンセラーをしております、のぶさわです。

 今回は、ロンドンオリンピックで金メダルを取られた女子レスリングの小原日登美選手の事をどうしても書きたくなりました。

 以前、新聞記事に出ていた小原選手の記事に対するコラムを書いたのですが、凄い辛い事を乗り越えての金メダル。 本当に涙が止まりませんでした。

 世界で無敵だった自分の階級がオリンピックには無くて、やむを得ず階級を上げて吉田沙保里選手と戦うも、完敗。

 うつになって引退。 
 そして家族の支えで復帰して、金メダル。

 彼女の良さは「心の強さ」。普通だったら心が折れてしまう状況でも、何度もそこから立ち上がり、夢を実現する精神力って並大抵ではないですよね。

 今でも誤解されてる人も多いと思うけど、「心が弱い人がうつやメンタルの病気になる」のではないのです。
 
 逆に並はずれて心が強かったり、並はずれて優しかったり、並はずれて人に気が使える方がそういったお悩みを抱えてご相談にいらっしゃるケースが殆どです。

 小原選手の場合は、普通の人なら「なんて酷いんだ!私の階級を五輪種目に入れないなんて!」と怒りを他所にぶつけるか、「あ〜あ、ついてないな。でも仕方がない、諦めよう」と諦めるかのどちらかではないでしょうか?

 でも、彼女はそのやり場のない怒りを八つ当たりせず、諦めずに正面から向き合った。

 そして吉田選手に敗れた時でさえ責任転嫁せず、怒りや悔しさを全部自分で背負い込んだ。

 結果としてそれが自分を苦しめる事になった。
 「うつ」ってそういう病気なんです。

 普通の精神力だったら、そこまでできませんよね。

 だから私はメンタルのご病気で苦しんでおられる方を尊敬しています。
 
 そして、そこから夢を掴まれた小原選手に本当に感動させて頂きました。
ありがとうございました。


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  | 2012年10月23日 14:31  | この記事のアドレス URL  |



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(コラム)混乱して頭がいっぱい!っていう時、どうする?

カウンセラーの粟野 剛さんによるコラムです。


最初に、ポジティブ思考や考え方の工夫に頼らず、イヤーな気分を解消したい!というあなたにお知らせです。1月30日午後14:00〜に、東京と新宿区にて、本サイトの管理者、新田さんと共同で、「うつ病の頭と体が気持ちよーく楽になるお茶会」を開催します。詳細は こちら。私は、ストレスを体からのアプローチでほぐす方法を皆さんにお伝えする予定です。実際のカウンセリングで私が活用していて、特に効果が出ているものを選んでお届けします。お楽しみに!

宣伝はこのくらいにして、今日の本題です。今回は、「本当に混乱して、頭がいっぱいいっぱいになってしまった時」の対策。うつ病のことも心配、将来も心配、今やらなきゃいけないことも心配、人間関係のあれこれも心配、、、と、沢山の考え事が出てきてしまって、頭がパンパンになるくらいいっぱいいっぱいで、何も手に付かない、、、というとき。そんなときは、以下のことをやってみると、だいぶ気持ちを落ち着けることができます。

<<手順>>

頭を整理して、目をほぐして、最後に体をほぐす!という3ステップをやってみましょう。

@ まずは、自分の頭の中でぐるぐる回っている事柄を、書き出してみましょう。紙の上でもPCのテキストファイルでも、携帯電話のメモ画面でも良いです。箇条書きでもいいし、文章形式でもかまいません。これだけで気持ちがスッと落ち着くこともあります。細かくやりたい方は、「自分と向き合う」って、どういうこと?のコラムも合わせてごらんください。(http://u-drill.jp/archives/2009_08/28_142841.php

A 次は、目に注意を向けてみましょう。頭が混乱しているときには、視野が狭くなるような目の使い方をしているケースが多いです。この視野の広い、狭い、というのは意識していないとなかなか自分では気づかないもの。目の周りをマッサージしたり、目をいろいろな方向に動かしたり、目がラクになるようにして、視野が広く保てるようになれば、その分、ストレスを軽減することができます。目の左右に指を立てて、視野を広くする方法を使うといっそう効果的です。(http://u-drill.jp/archives/2009_09/15_135731.php

B その上で、自分の体に意識をむけてみましょう。緊張・違和感が出ている場所はありませんか?違和感が出ている場所が分かったら、その違和感のあるところをほぐしてあげましょう。手でマッサージをする、さすってあげる、ほぐれるように動かす、、、方法は何でもかまいません。違和感のあったところがある程度ほぐれて、多少なりとも気持ちよくなればOKです。細かくやりたい方は、「ポジティブ・気楽に考えたいけれど難しい!という時の対策。」も合わせてごらんください。(http://u-drill.jp/archives/2010_01/04_125413.php

この方法を使うと、かなり気持ちを落ち着けることができますし、上手くいくときには、悩み事に関して、新しい考え方や、解決のためのアイデアが出てきたりすることもあります。日常生活の中で、ストレスを軽くしていくために、活用していただければ幸いです。

粟野 剛

(リンク)粟野のホームページ
■心と体の統合セラピー:ニューロ・ソマティック・セラピー


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  | 2010年01月16日 02:00  | この記事のアドレス URL  |



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(コラム)ポジティブ・気楽に考えたいけど難しい!というときの対策。

カウンセラーの粟野 剛さんによるコラムです。


心に関する本などを読んでいると、「ポジティブに考えましょう」「気楽に考えましょう」ということがよく書いてあります。確かに、ネガティブな考えや凝り固まった考えにこだわり続けるより、ポジティブな考えや、気楽な考えにも目を向けてみる、というのはゆううつな気分を解消するために有効です。


でも!このポジティブに考える、気楽に考える、っていうのは実はけっこう難しいんですよね。ポジティブに考えましょうよ、って人から言われたり、本で読んだりしても、「それができれば苦労はしないよ〜!」というケースも多かったりします。また、無理にそういう考え方をしようと頑張ってしまって、ますますストレスが溜まって疲れてしまった、なんて経験をお持ちの方も、このサイトをごらんになっている方の中にはいらっしゃるかもしれません。


今回は、「○○という考え方をしたいけれどもできない!」というときに使えるちょっとしたテクニックのご紹介です。ネガティブな方向に心が引きずられているときには、どうしても体が硬くなったり呼吸が浅くなったり、ということが起こります。その体の反応を変えていくことによって、ポジティブな考え方、気楽な考え方も受け入れやすくなる、という仕組みを使っています。

<<手順>>

@ そういう考えをしたいのにできない、という考えをあえて5回ほど口に出してみましょう。例えば、体調が悪く仕事を休んでしまったときに、「たまにはのんびりするのもいいよね」と思いたいけど思えない、というときは、「たまにはのんびりするのもいいよね、たまにはのんびりするのもいいよね、、、」と唱えてみる。前向きな課題に対して、「とりあえず挑戦してみようよ」と思いたいときには、「とりあえず挑戦してみよう、とりあえず挑戦してみよう、、、」といった具合です。

A 5回唱え終わった後に、自分の体の様子をチェック。「○○という考え方をしたいけれどもできない!」というときには、体のどこかが硬くなる、違和感が出てくる、などの反応が通常は出ているもの。どんな反応が出てくるか?チェックしてみましょう。首が硬くなる人、肩が硬くなる人、胸が締めつけられる人、腰が痛くなる人など、反応は人によってまちまちです。複数の箇所に違和感がある場合も多いです。
※ 目に無駄な力が入っているとか、呼吸が浅く苦しくなっている、なんていうこともあります。ここは特に見落としがちなので、注意して観察してみましょう
※ 鏡などで自分の姿勢などを観察できるようにして、その上で行うことも、思わぬところに力が入っているのに気づくきっかけになったりするので効果的です。

B 違和感が出ている場所が分かったら、その違和感のあるところをほぐしてあげましょう。手でマッサージをする、さすってあげる、ほぐれるように動かす、、、方法は何でもかまいません。違和感のあったところがある程度ほぐれて、多少なりとも気持ちよくなればOK。ここは、丁寧にやるほど効果が高いです。

※ 目の無駄な力を抜きたい、という場合は、まぶたをぱちぱちしてみたり、目を上下左右に動かしてみるようにすると効果的です。呼吸が苦しい、という場合は、どうやったら気持ちよい呼吸ができるか?胸やおなかの回りをさすったり、いろいろ動かしたりしながら探っていくと良いでしょう。
※ 一箇所の違和感を取った上で、別の場所の違和感に気づくこともあります。こうした場合はそこもほぐしてあげましょう。

C 体がほぐれて、違和感がラクになったな、と思ったら、最初に唱えた言葉をもう一度唱えてみてチェック。以前よりもラクに、そのポジティブな考え方や気楽な考え方ができるようになったら、おめでとうございます!成功です。


多くの場合はこの方法により、ポジティブな考え方、気楽な考え方も比較的無理なく、ラクに受け入れるようになることができるようになります。どうしてもネガティブな考えから離れられない、、、という方にお勧めの方法です。是非一度お試しください。


粟野 剛

(リンク)粟野のホームページ
■心と体の統合セラピー:ニューロ・ソマティック・セラピー


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  | 2010年01月04日 12:54  | この記事のアドレス URL  |



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(シンポジウムレポート)気分障害の生物学的研究の最新動向

2009年12月11日(金)、津田ホール(東京都渋谷区)にて、東京都精神医学総合研究所第38回シンポジウム「気分障害の生物学的研究の最新動向―DSM、ICD改訂に向けて―」というシンポジウムが行われました。
その聴講レポートをお送りします。

「気分障害の生物学的研究の最新動向―DSM、ICD改訂に向けて―」
平成21年12月11日(金) 津田ホール(東京都渋谷区)


1.オーバービュー「気分障害の生物学:どこまで理解できたか、何が問題なのか」
  (九州大学大学院教授・神庭重信氏)

うつ病は異質な疾患の集合体
うつ病は抑うつ気分を中心としながらも、不安や離人症状、妄想、身体症状など多くの精神症状を巻き込む病気で、「典型的なうつ病」というのは臨床の場では少数です。
そしてうつ病の原因についても、現在では遺伝子、環境、母子関係、幼少時の体験、性格、人生の出来事など、いくつもの因子が複雑に関わっていることがわかっています。

うつ病の原因に関する主な仮説
・遺伝子仮説
双子の研究により、うつ病を発症するかどうかの4割が遺伝的に決まっていることがわかりました。
また、神経の発達・炎症に関わる遺伝子とうつ病との関係も最近研究されてきています。

・神経化学仮説
いわゆる「モノアミン仮説」というのは、ノルアドレナリン、セロトニン、ドーパミンのどれかが不足するとうつ病となるという仮説です。
しかし、SSRIなどでセロトニンが増えても、実際に効果が現れるには数週間かかるという矛盾があり、疑問視されています。
最近はモノアミン仮説に代わり、BDNF(神経成長因子:神経細胞の生存・成長・シナプスの機能亢進などの神経細胞の成長を調節するタンパク質)の低下が関係するのではないかと言われています。

・セロトニントランスポーター遺伝子仮説
セロトニントランスポーター遺伝子の長い人は、うつ病になりにくいことがわかっています。

・海馬障害仮説
ストレスがかかるとコルチゾールなどのストレスホルモンが増えます。するとステロイドホルモンが分泌され、ストレスホルモンが抑制されます。このサイクルをつかさどるのが海馬ですが、海馬に何らかの障害があるとこのサイクルがうまくいかなくなり、うつ病になると言う説があります。


2.「薬物療法からみた気分障害の症候学」
  (国立病院機構肥前精神医療センター・黒木俊秀氏)

歴史的な経過
躁病に対してリチウムが有効という発表があったのは1949年でした。しかしアメリカFDAがリチウムの有効性を認めるまでには20年かかっています。
リチウムが効く理由について、現在は細胞内の情報伝達物質「GSK-3β」に作用するからではないかといわれていますが、いまだに決定的ではありません。
DSM-3以前、うつ病などの気分障害は、「精神分析」の対象でした。1984年のDSM-3前後から、それが生物学的に研究されるようになりました。
DSM-3では「躁うつ病」→「大うつ病」「双極性障害」と変更されたことにより大うつ病の診断数が大幅に増え、1994年のDSM-4以降では自閉症、ADHD、双極性障害の診断数が増えました。
現在、気分障害の診断、および抗うつ薬の開発・効果は行き詰まりを見せています。

薬の効かないうつ病が増えている?
うつ病患者が最初に処方されるSSRIで治る率(寛解率)は33%にすぎず、その後薬を3回替えたとしても寛解率は67%にとどまる、という研究があります。
また、昨今取りざたされている多種多様なうつ病(季節性、非定型など)については国内外でさまざまな議論がありますが、今までの分類では「軽症」とされてきたものが増える傾向にあります。
そして「軽症」のうつ病患者にはプラセボ(偽薬)も効いてしまうのです。
現在、うつ病の分類は「病像」(ある病気の患者に共通する特徴)のみに基づいていますが、病像だけでなく病気になる前の性格(病前性格)、発病状況、治療に対する反応なども加味して分類基準を再考することが必要なのではないでしょうか。


3.「気分障害の分子神経生物学」
  (独立行政法人理化学研究所脳科学総合研究センター・加藤忠史氏)

気分障害の現状
厚生労働省によると、うつ病・双極性障害を主とする「気分障害」の人は日本に104万人いますが、医療機関を受診しているのはその18%にすぎません。
気分障害の治療の問題点として、次のようなものがあります。
 ・生物学的診断の欠如
 ・病気の様子(病態)に応じた分類がない
  (例:季節性うつ病、血管性うつ病、非定型うつ病なども「うつ病」として一緒にされてしまう)
 ・画一的な治療にならざるを得ない
このような問題点の解決のために、脳病態に基づいた分類が必要ですが、気分障害の死後脳研究を行える施設は非常に少ないのが現状です。

うつ病と脳
うつ病では「オール・オア・ナッシング」というような両極端の判断をしてしまう、という認知のゆがみがみられますが、こういった判断は脳の「扁桃体」という部分がつかさどる「情動」の特徴です。
実際、うつ病の患者さんは扁桃体が過剰に活動していることがわかっています。
また、老年期うつ病ではごく小さな脳梗塞を起こしていることが多く、さらにうつ病自体が脳梗塞のリスクを高めることがわかっています。
うつ病の解明には脳のさらなる研究が必要です。


4.「気分障害の脳画像研究と先進医療『うつ症状の鑑別診断補助』の紹介」
  (東京大学医学部附属病院・滝沢龍氏)

精神疾患を目に見えるように
精神疾患は目に見えません。例えば、うつ病で休職していた患者さんがある程度回復しても、復職が可能かどうかを客観的に、誰もが納得できるように判断する基準はありません。
そのような「目に見えない」疾患である精神疾患を目に見えるようにするのが脳画像研究の意義です。

MRIやPETなどで、多くの精神疾患に前頭葉、側頭葉の障害がみられることがわかってきましたが、さらに「NIRS」(光トポグラフィー検査)という方法が先進医療として加わりました。
(※光トポグラフィー検査については→こちら

「こころの検査入院」
この光トポグラフィー検査については、新聞でとりあげられたことで問い合わせが殺到しましたが、東大病院で現在行う予定になっているのは「こころの検査入院」だけです。
「こころの検査入院」の詳細(予定)は以下のようになっています。
 ・2009年12月から東大病院のホームページで広報開始
 ・4日間の検査入院、費用は6〜7万円
 ・光トポグラフィー検査を含む諸検査
 ・参加には紹介状が必要
 ・入院中は外来の処方を継続
今後は早期の保険適用をめざしていきます。

(※その他に東京都精神医学総合研究所の楯林義孝氏による「気分障害の死後脳研究」という講演がありましたが、画像を主としていましたので割愛します)


講演後のパネルディスカッションでは、「うつ病の分類について、生物学的な指標(バイオロジカルマーカー)をDSMなどにとりいれるべきか」という会場からの質問がありました。
「最終的には原因で分類すべき。マーカーが原因を示すとは限らないので時期尚早では」
「死後脳の研究がもっと進むのを待つべき」
「診断のマーカーもさることながら、予後の状態や自殺の予測など治療に役立つマーカーを」
上記のような意見が出ていました。


本郷玖美

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  | 2009年12月21日 16:13  | この記事のアドレス URL  |



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