うつ病のレポート&コラム
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(コラム)混乱して頭がいっぱい!っていう時、どうする?
カウンセラーの粟野 剛さんによるコラムです。
最初に、ポジティブ思考や考え方の工夫に頼らず、イヤーな気分を解消したい!というあなたにお知らせです。1月30日午後14:00〜に、東京と新宿区にて、本サイトの管理者、新田さんと共同で、「うつ病の頭と体が気持ちよーく楽になるお茶会」を開催します。詳細は こちら。私は、ストレスを体からのアプローチでほぐす方法を皆さんにお伝えする予定です。実際のカウンセリングで私が活用していて、特に効果が出ているものを選んでお届けします。お楽しみに!
宣伝はこのくらいにして、今日の本題です。今回は、「本当に混乱して、頭がいっぱいいっぱいになってしまった時」の対策。うつ病のことも心配、将来も心配、今やらなきゃいけないことも心配、人間関係のあれこれも心配、、、と、沢山の考え事が出てきてしまって、頭がパンパンになるくらいいっぱいいっぱいで、何も手に付かない、、、というとき。そんなときは、以下のことをやってみると、だいぶ気持ちを落ち着けることができます。
<<手順>>
頭を整理して、目をほぐして、最後に体をほぐす!という3ステップをやってみましょう。
@ まずは、自分の頭の中でぐるぐる回っている事柄を、書き出してみましょう。紙の上でもPCのテキストファイルでも、携帯電話のメモ画面でも良いです。箇条書きでもいいし、文章形式でもかまいません。これだけで気持ちがスッと落ち着くこともあります。細かくやりたい方は、「自分と向き合う」って、どういうこと?のコラムも合わせてごらんください。(http://u-drill.jp/archives/2009_08/28_142841.php)
A 次は、目に注意を向けてみましょう。頭が混乱しているときには、視野が狭くなるような目の使い方をしているケースが多いです。この視野の広い、狭い、というのは意識していないとなかなか自分では気づかないもの。目の周りをマッサージしたり、目をいろいろな方向に動かしたり、目がラクになるようにして、視野が広く保てるようになれば、その分、ストレスを軽減することができます。目の左右に指を立てて、視野を広くする方法を使うといっそう効果的です。(http://u-drill.jp/archives/2009_09/15_135731.php)
B その上で、自分の体に意識をむけてみましょう。緊張・違和感が出ている場所はありませんか?違和感が出ている場所が分かったら、その違和感のあるところをほぐしてあげましょう。手でマッサージをする、さすってあげる、ほぐれるように動かす、、、方法は何でもかまいません。違和感のあったところがある程度ほぐれて、多少なりとも気持ちよくなればOKです。細かくやりたい方は、「ポジティブ・気楽に考えたいけれど難しい!という時の対策。」も合わせてごらんください。(http://u-drill.jp/archives/2010_01/04_125413.php)
この方法を使うと、かなり気持ちを落ち着けることができますし、上手くいくときには、悩み事に関して、新しい考え方や、解決のためのアイデアが出てきたりすることもあります。日常生活の中で、ストレスを軽くしていくために、活用していただければ幸いです。
(粟野 剛)
(リンク)NLPやボディーワークを応用したマニュアル:
■一人でできる! うつ気分を解消し、毎日元気に過ごすための心と体のテクニック集(PDF版)
(リンク)粟野のホームページ
■「うつ解消のためのカウンセリング」
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| | 2010年01月16日 02:00 | | トラックバック歓迎 (0) |
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(コラム)ポジティブ・気楽に考えたいけど難しい!というときの対策。
カウンセラーの粟野 剛さんによるコラムです。
心に関する本などを読んでいると、「ポジティブに考えましょう」「気楽に考えましょう」ということがよく書いてあります。確かに、ネガティブな考えや凝り固まった考えにこだわり続けるより、ポジティブな考えや、気楽な考えにも目を向けてみる、というのはゆううつな気分を解消するために有効です。
でも!このポジティブに考える、気楽に考える、っていうのは実はけっこう難しいんですよね。ポジティブに考えましょうよ、って人から言われたり、本で読んだりしても、「それができれば苦労はしないよ〜!」というケースも多かったりします。また、無理にそういう考え方をしようと頑張ってしまって、ますますストレスが溜まって疲れてしまった、なんて経験をお持ちの方も、このサイトをごらんになっている方の中にはいらっしゃるかもしれません。
今回は、「○○という考え方をしたいけれどもできない!」というときに使えるちょっとしたテクニックのご紹介です。ネガティブな方向に心が引きずられているときには、どうしても体が硬くなったり呼吸が浅くなったり、ということが起こります。その体の反応を変えていくことによって、ポジティブな考え方、気楽な考え方も受け入れやすくなる、という仕組みを使っています。
<<手順>>
@ そういう考えをしたいのにできない、という考えをあえて5回ほど口に出してみましょう。例えば、体調が悪く仕事を休んでしまったときに、「たまにはのんびりするのもいいよね」と思いたいけど思えない、というときは、「たまにはのんびりするのもいいよね、たまにはのんびりするのもいいよね、、、」と唱えてみる。前向きな課題に対して、「とりあえず挑戦してみようよ」と思いたいときには、「とりあえず挑戦してみよう、とりあえず挑戦してみよう、、、」といった具合です。
A 5回唱え終わった後に、自分の体の様子をチェック。「○○という考え方をしたいけれどもできない!」というときには、体のどこかが硬くなる、違和感が出てくる、などの反応が通常は出ているもの。どんな反応が出てくるか?チェックしてみましょう。首が硬くなる人、肩が硬くなる人、胸が締めつけられる人、腰が痛くなる人など、反応は人によってまちまちです。複数の箇所に違和感がある場合も多いです。
※ 目に無駄な力が入っているとか、呼吸が浅く苦しくなっている、なんていうこともあります。ここは特に見落としがちなので、注意して観察してみましょう
※ 鏡などで自分の姿勢などを観察できるようにして、その上で行うことも、思わぬところに力が入っているのに気づくきっかけになったりするので効果的です。
B 違和感が出ている場所が分かったら、その違和感のあるところをほぐしてあげましょう。手でマッサージをする、さすってあげる、ほぐれるように動かす、、、方法は何でもかまいません。違和感のあったところがある程度ほぐれて、多少なりとも気持ちよくなればOK。ここは、丁寧にやるほど効果が高いです。
※ 目の無駄な力を抜きたい、という場合は、まぶたをぱちぱちしてみたり、目を上下左右に動かしてみるようにすると効果的です。呼吸が苦しい、という場合は、どうやったら気持ちよい呼吸ができるか?胸やおなかの回りをさすったり、いろいろ動かしたりしながら探っていくと良いでしょう。
※ 一箇所の違和感を取った上で、別の場所の違和感に気づくこともあります。こうした場合はそこもほぐしてあげましょう。
C 体がほぐれて、違和感がラクになったな、と思ったら、最初に唱えた言葉をもう一度唱えてみてチェック。以前よりもラクに、そのポジティブな考え方や気楽な考え方ができるようになったら、おめでとうございます!成功です。
多くの場合はこの方法により、ポジティブな考え方、気楽な考え方も比較的無理なく、ラクに受け入れるようになることができるようになります。どうしてもネガティブな考えから離れられない、、、という方にお勧めの方法です。是非一度お試しください。
(粟野 剛)
(リンク)NLPやボディーワークを応用したマニュアル:
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■「うつ解消のためのカウンセリング」
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| | 2010年01月04日 12:54 | | トラックバック歓迎 (0) |
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■1分で知る!ストレス&メンタルヘルス
これもストレスだったの? あれでもストレス解消になるの?
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(シンポジウムレポート)気分障害の生物学的研究の最新動向
2009年12月11日(金)、津田ホール(東京都渋谷区)にて、東京都精神医学総合研究所第38回シンポジウム「気分障害の生物学的研究の最新動向―DSM、ICD改訂に向けて―」というシンポジウムが行われました。
その聴講レポートをお送りします。
「気分障害の生物学的研究の最新動向―DSM、ICD改訂に向けて―」
平成21年12月11日(金) 津田ホール(東京都渋谷区)
1.オーバービュー「気分障害の生物学:どこまで理解できたか、何が問題なのか」
(九州大学大学院教授・神庭重信氏)
うつ病は異質な疾患の集合体
うつ病は抑うつ気分を中心としながらも、不安や離人症状、妄想、身体症状など多くの精神症状を巻き込む病気で、「典型的なうつ病」というのは臨床の場では少数です。
そしてうつ病の原因についても、現在では遺伝子、環境、母子関係、幼少時の体験、性格、人生の出来事など、いくつもの因子が複雑に関わっていることがわかっています。
うつ病の原因に関する主な仮説
・遺伝子仮説
双子の研究により、うつ病を発症するかどうかの4割が遺伝的に決まっていることがわかりました。
また、神経の発達・炎症に関わる遺伝子とうつ病との関係も最近研究されてきています。
・神経化学仮説
いわゆる「モノアミン仮説」というのは、ノルアドレナリン、セロトニン、ドーパミンのどれかが不足するとうつ病となるという仮説です。
しかし、SSRIなどでセロトニンが増えても、実際に効果が現れるには数週間かかるという矛盾があり、疑問視されています。
最近はモノアミン仮説に代わり、BDNF(神経成長因子:神経細胞の生存・成長・シナプスの機能亢進などの神経細胞の成長を調節するタンパク質)の低下が関係するのではないかと言われています。
・セロトニントランスポーター遺伝子仮説
セロトニントランスポーター遺伝子の長い人は、うつ病になりにくいことがわかっています。
・海馬障害仮説
ストレスがかかるとコルチゾールなどのストレスホルモンが増えます。するとステロイドホルモンが分泌され、ストレスホルモンが抑制されます。このサイクルをつかさどるのが海馬ですが、海馬に何らかの障害があるとこのサイクルがうまくいかなくなり、うつ病になると言う説があります。
2.「薬物療法からみた気分障害の症候学」
(国立病院機構肥前精神医療センター・黒木俊秀氏)
歴史的な経過
躁病に対してリチウムが有効という発表があったのは1949年でした。しかしアメリカFDAがリチウムの有効性を認めるまでには20年かかっています。
リチウムが効く理由について、現在は細胞内の情報伝達物質「GSK-3β」に作用するからではないかといわれていますが、いまだに決定的ではありません。
DSM-3以前、うつ病などの気分障害は、「精神分析」の対象でした。1984年のDSM-3前後から、それが生物学的に研究されるようになりました。
DSM-3では「躁うつ病」→「大うつ病」「双極性障害」と変更されたことにより大うつ病の診断数が大幅に増え、1994年のDSM-4以降では自閉症、ADHD、双極性障害の診断数が増えました。
現在、気分障害の診断、および抗うつ薬の開発・効果は行き詰まりを見せています。
薬の効かないうつ病が増えている?
うつ病患者が最初に処方されるSSRIで治る率(寛解率)は33%にすぎず、その後薬を3回替えたとしても寛解率は67%にとどまる、という研究があります。
また、昨今取りざたされている多種多様なうつ病(季節性、非定型など)については国内外でさまざまな議論がありますが、今までの分類では「軽症」とされてきたものが増える傾向にあります。
そして「軽症」のうつ病患者にはプラセボ(偽薬)も効いてしまうのです。
現在、うつ病の分類は「病像」(ある病気の患者に共通する特徴)のみに基づいていますが、病像だけでなく病気になる前の性格(病前性格)、発病状況、治療に対する反応なども加味して分類基準を再考することが必要なのではないでしょうか。
3.「気分障害の分子神経生物学」
(独立行政法人理化学研究所脳科学総合研究センター・加藤忠史氏)
気分障害の現状
厚生労働省によると、うつ病・双極性障害を主とする「気分障害」の人は日本に104万人いますが、医療機関を受診しているのはその18%にすぎません。
気分障害の治療の問題点として、次のようなものがあります。
・生物学的診断の欠如
・病気の様子(病態)に応じた分類がない
(例:季節性うつ病、血管性うつ病、非定型うつ病なども「うつ病」として一緒にされてしまう)
・画一的な治療にならざるを得ない
このような問題点の解決のために、脳病態に基づいた分類が必要ですが、気分障害の死後脳研究を行える施設は非常に少ないのが現状です。
うつ病と脳
うつ病では「オール・オア・ナッシング」というような両極端の判断をしてしまう、という認知のゆがみがみられますが、こういった判断は脳の「扁桃体」という部分がつかさどる「情動」の特徴です。
実際、うつ病の患者さんは扁桃体が過剰に活動していることがわかっています。
また、老年期うつ病ではごく小さな脳梗塞を起こしていることが多く、さらにうつ病自体が脳梗塞のリスクを高めることがわかっています。
うつ病の解明には脳のさらなる研究が必要です。
4.「気分障害の脳画像研究と先進医療『うつ症状の鑑別診断補助』の紹介」
(東京大学医学部附属病院・滝沢龍氏)
精神疾患を目に見えるように
精神疾患は目に見えません。例えば、うつ病で休職していた患者さんがある程度回復しても、復職が可能かどうかを客観的に、誰もが納得できるように判断する基準はありません。
そのような「目に見えない」疾患である精神疾患を目に見えるようにするのが脳画像研究の意義です。
MRIやPETなどで、多くの精神疾患に前頭葉、側頭葉の障害がみられることがわかってきましたが、さらに「NIRS」(光トポグラフィー検査)という方法が先進医療として加わりました。
(※光トポグラフィー検査については→こちら)
「こころの検査入院」
この光トポグラフィー検査については、新聞でとりあげられたことで問い合わせが殺到しましたが、東大病院で現在行う予定になっているのは「こころの検査入院」だけです。
「こころの検査入院」の詳細(予定)は以下のようになっています。
・2009年12月から東大病院のホームページで広報開始
・4日間の検査入院、費用は6〜7万円
・光トポグラフィー検査を含む諸検査
・参加には紹介状が必要
・入院中は外来の処方を継続
今後は早期の保険適用をめざしていきます。
(※その他に東京都精神医学総合研究所の楯林義孝氏による「気分障害の死後脳研究」という講演がありましたが、画像を主としていましたので割愛します)
講演後のパネルディスカッションでは、「うつ病の分類について、生物学的な指標(バイオロジカルマーカー)をDSMなどにとりいれるべきか」という会場からの質問がありました。
「最終的には原因で分類すべき。マーカーが原因を示すとは限らないので時期尚早では」
「死後脳の研究がもっと進むのを待つべき」
「診断のマーカーもさることながら、予後の状態や自殺の予測など治療に役立つマーカーを」
上記のような意見が出ていました。
(本郷玖美)
( → この記事を引用・転載するには?)
| | 2009年12月21日 16:13 | | トラックバック歓迎 (0) |
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(講演レポート)メタボ・うつと睡眠障害 予防と対処法
2009年12月1日(火)、女性と仕事の未来館(東京都港区)において、(財)東京顕微鏡院/医療法人社団こころとからだの元氣プラザ主催「メタボ・うつと睡眠障害 予防と対処法」という講演が行われました。
その聴講レポートをお送りします。
シリーズ「働きざかりから始める、人生80年時代の健康づくり」
第6回「メタボ・うつと睡眠障害 予防と対処法」
平成21年12月1日(火) 女性と仕事の未来館(東京都港区)
講師:(財)神経研究所附属睡眠学センター センター長
東京医科大学教授 井上雄一氏
1.不眠とうつ病
日本人の睡眠時間は世界でもっとも短い
日本人は遅寝(12時以降に就寝する人の割合)で世界6位、早起き(7時までに起床する人の割合)で世界8位です。
ただし、5位以上はスペイン・韓国など、昼に仮眠を取る習慣のある国となっています。
遅寝・早起き共にトップ10に入っているのは日本だけです。
うつと不眠の強い関連
うつ病患者の90%以上は不眠を訴えますし、不眠を中心に訴える患者の20%(中高年では50%)がうつ病を発症しています。
また、糖尿病患者の20%、高血圧の患者の30%がうつ病を合併しています。
3年間の追跡調査の結果、不眠のあった人が3年後にうつになる確率は
20代で4倍、高齢者で3倍となっています。
また、睡眠状態とうつ病の発症率の関係についての別の調査では
「ずっと良い睡眠」……0.4%
「不眠だったが改善した」……0.6%
「良い睡眠だったが不眠になった」……11.9%
「ずっと不眠」……14.0%
となっています。
また、睡眠時間とうつ症状の現れる頻度の関係を調査すると
もっともうつ症状が少ないのは睡眠時間が7〜8時間の人となっており、それより多くても少なくてもうつ症状の頻度は増えています。
ですが、「うつ症状」と「睡眠時間」のどちらが原因かははっきりわかっていません。
また、交代勤務者の80%に睡眠障害があることがわかっており、交代勤務の勤続年数6〜20年の人の約3割にうつ病がみられます。
このように「不眠」と「うつ」は深い関連を持っていますが、「うつ」が自覚や診断がしにくいのに比べ、「不眠」は自覚や診断が比較的容易です。
不眠の早期発見、早期治療がうつや自殺の予防につながる可能性があると考えます。
2.高血圧・糖尿病と不眠
寝ないと血圧は上がる
通常の睡眠中、血圧は覚醒時より約10%下がります。また、1晩徹夜すると拡張期血圧(最低血圧)は約10mmhg上がります。
さらに、慢性の不眠症は高血圧症の発症リスクを2倍高めることがわかっています。
睡眠不足は糖尿病を引き起こす?
睡眠不足の状態を続けると、インスリン分泌量には変化がないものの、朝食後の血糖値上昇が激しくなるという実験結果があります。
また、男性では「糖尿病発症の危険因子」として「飲酒」を1とした場合の危険率は
・睡眠障害……5
・肥満…………6.5
という結果になっています。
高血圧・糖尿病予防にも7〜8時間睡眠
睡眠時間との関係を見ると、高血圧・糖尿病ともにリスクが最も少ないのは「睡眠時間7〜8時間」の人であり、これはうつ病のリスクと同じです。
高血圧治療・糖尿病治療と不眠の治療とをいちどきにやってしまうと血圧や血糖値が下がりすぎてしまいます。
その場合、まず不眠を治療します。するとそれだけで血圧や血糖値が正常になることも多いのです。
3.睡眠と肥満
不眠が肥満を引き起こすメカニズム
不眠や睡眠不足になると、
→空腹の信号となるホルモン・グレリンが増え
→満腹の信号となるホルモン・レプチンが減り
→空腹感が増し食欲が増して
→食べ過ぎる→結果、肥満となる
寝ない子は太る
3歳児検診のときに睡眠時間が9時間未満だった子は、11時間以上だった子に比べ、10年後(中学1年生時)の肥満リスクが1.59倍高くなっていました。
いわゆるメタボリック・シンドロームの人も、睡眠時間が7〜8時間の人に最も少ないことがわかっています。
4.睡眠薬の使い方
日本人は医者嫌い、アルコール好き
不眠対策の国際比較(スペイン、中国、ドイツ、ブラジル、ベルギー、日本)では
日本だけが不眠対策の第1位として「アルコール摂取」を挙げています(約3割)。
また、「医師を受診」する割合は6カ国中突出して低くなっています(1割未満)。
睡眠薬にまつわる「迷信」
今の睡眠薬はアルコールよりはるかに安全といえます。
にもかかわらず、ドラマなどの影響か「睡眠薬で死ぬ」「睡眠薬はやめられなくなる」といったいわば「迷信」がいまだにまかり通っています。
医師の処方を守り、多量のアルコールの併用などしなければ睡眠薬にこれらの危険はありません。
「睡眠薬は効かない」という声もありますが、「その日からすぐに眠れる量の処方はしない」という、処方の基本的な考え方によるものだと思います。
また、OTC(医師の処方箋がなくても、薬局・薬店で購入できる一般用医薬品)の睡眠補助薬には、耐性がつきやすい、依存性がある、というものがあるため注意が必要です。
5.睡眠時無呼吸症候群とメタボ対策
肥満の人は脂肪過多により喉が狭くなりやすく、それが睡眠時無呼吸を引き起こす原因になります。
しかし、「顎が小さい」「頭部の奥行きが狭い」「口蓋垂が大きい」など骨格や体質の問題、また遺伝的な問題もありますので、専門医の診断が必要です。
「いびき」は人口の3割以上に見られ、対して睡眠時無呼吸は人口の数%ですので、「いびき」が即、睡眠時無呼吸であるというわけではありません。
まず「いびき」がどこから出るか見極め、鼻なら耳鼻科に相談をすすめます。
喉なら「横向き寝」が有効という説もありますが、姿勢の維持が難しいため、マウスピースが有効です。
睡眠時無呼吸を放置しておくと、夜間睡眠の質が低下し昼間眠気を催すことが多くなり、事故などにつながりかねません。
また無呼吸時の血圧は通常より30〜40mmhg上がり、心血管疾患にも悪影響を及ぼします。
6.おわりに
睡眠、うつ、メタボリック・シンドローム、睡眠時無呼吸などは相互に関連しています。治療のためにはそれらの悪循環を良い循環に変えなければいけません。
その治療のために、医療、栄養、運動などの機関が相互に連携することが必要になってくるのです。
(本郷玖美)
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| | 2009年12月11日 18:44 | | トラックバック歓迎 (0) |
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■1分で知る!ストレス&メンタルヘルス
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(講演レポート)支え合う家族の力と心の回復
2009年11月27日(金)、津田ホール(東京都渋谷区)にて、精神研都民講座「支え合う家族の力と心の回復―家族ライフサイクルの視点から―」という講演が行われました。
その聴講レポートをお送りします。
精神研都民講座
平成21年度テーマ「心の回復力とは何か」
第5回「支え合う家族の力と心の回復―家族ライフサイクルの視点から―」
平成21年11月27日(金) 津田ホール(東京都渋谷区)
講師:中村心理療法研究室室長 中村伸一氏
「家族ライフサイクル」の6つのステージ
「家族」も個人のように段階を経て発達するものとしてその段階を6つのステージに分け、それぞれの《特徴》《現れやすい問題》《介入(問題解決のためのアドバイス)》を解説しました。
1.出会い〜結婚
《特徴》
・結婚前の交際期間6か月以上3年未満に離婚が少ない(3年を超えると交際が周囲に認知され、他の異性からのアプローチがなくなる?)
《問題》
・家事などの役割分担の行き違い(典型例:結婚前は家事も平等負担といっていた夫が、結婚後何もしてくれなくなった)
・セックスレス
《介入》
・「家」重視か「夫婦」重視か、を中心に「どのような『文化』を築くか」の話し合い
・「結婚」への価値観の共有
・セックスセラピー
2.就学前の子どものいる家族
《特徴》
・祖父母に協力を仰ぐかどうか、など、子育ての役割分担に迷いやすい
・親であることへの責任を負うのが遅くなりがち
・夫の出世と妻の犠牲との葛藤
・高い離婚率(まだ若いので仕事も配偶者も「次」が見つかりやすい?)
《問題》
・夫婦間コミュニケーション不足により、お互いの努力が見えない
・妻のうつ病……専業主婦の場合早期発見しにくい→献立を立てられるかどうかに注意
・浮気(浮気発覚の8割が携帯、またはパソコンの記録から)
・児童虐待
《介入》
・不幸な状態がいつまでも続くわけではない→「あと5年経ったら?」と想像させる
・「どんな夫婦でもこの時期は大変」とアドバイス
3.小学生の子どものいる家族
《特徴》
・一般的にもっとも平穏なステージ
・妻の仕事開始、または再開
《問題》
・分離不安型不登校(詳しい説明はこちら)
・妻の浮気(長期化した精神的欲求不満による)
《介入》
・子どもの問題解決を通した夫婦関係の改善
・浮気カウンセリング→浮気した方にはまず謝罪を求め、その上で浮気前の夫婦関係について浮気の原因となるものを探る
4.思春期・青年期の子どものいる家族
《特徴》
・「世代間境界」(両親である夫婦間には強い連合があり、夫婦と子ども世代との間には良い意味での無関心がある状態)を、試行錯誤しながら形成する
・「反抗期」は必ずしもあるわけではない(明確な反抗期は8割の子どもには見られない)
・「祖父母世代の衰弱」「両親と子どもとの葛藤」が同時に来る→「板挟み世代」となる
・経済的収支が一番大きくなる
《問題》
・不登校、家庭内暴力など子どもの問題が起きやすい
・夫のうつ病(働き盛り世代の頑張りすぎ)
《介入》
・個人でなく家族単位での介入が必須
・健全な世代間境界を作る(例:不登校の子どものいる家庭は、父親と母親とが反発あるいは無関心、父親と子どもとは無関心、母親と子どもとは葛藤しながらも強固に結びついている場合が多い)
5.成人した子どものいる家族
《特徴》
・子どもが家を離れ夫婦が再び向かい合う→子どもと「大人同士の関係」を築く
・祖父母の世話あるいは死去→祖父母との新しい関係、良い関係の再構築
《問題》
・子どもの「引きこもり」……成人しても社会に出られない子ども
・「空の巣症候群」……子どもの巣立ち後、子どもを生きがいにしていた妻のうつ病発症→夫は無関心
・祖父母の世話をめぐるトラブル……認知症の症状の出方は家族の問題を映している(例:嫁姑関係にしこりがあり、姑がなくしたものを「嫁が盗んだ」と言うなど)
《介入》
・迫り来る夫婦2人だけの生活の計画を立てる
・子どもとの明確な世代間境界を作る……夫婦の問題に子どもを巻き込まない
6.子どもが結婚し新しい家庭を作る
《特徴》
・夫の退職、夫婦の「新」生活が始まる
・人生の回り舞台がすべて見える……孫の誕生=「生の始まり」から祖父母の死去=「生の終わり」まで
・老後の身体的・経済的不安
・夫婦がそれぞれお互いの死を受け入れる準備
《問題》
・夫の「退職うつ病」
・「濡れ落ち葉」「粗大生ゴミ」「熟年離婚」……共に向老期を過ごせない
・夫の癌発症……定年前後に癌が見つかることが多い
《介入》
・「2度目の新婚時代」という考え方
・仕事中心の生活ではできなかった新しい楽しみの発見
家族ライフサイクルを治療に生かす
家族ライフサイクルの6つのステージを見てきましたが、家族が問題を抱えるのは家族ライフサイクルの節目であることが多いのです。
また、現在の家族のあり方に問題が起きると、過去のステージに退行します。
よって、家族ライフサイクルを前に進めることが重用となります。
例えば夫婦の問題ならば、結婚記念日を祝う、問題を解決した後での「本当の意味での結婚式」を挙げる、など。
子どもの問題ならば、たとえ不登校だったとしても家族で卒業祝いをする、引きこもりでニートであっても「成人祝い」をする、など家族ライフサイクルを前に進めるための「儀式」をするのも大事です。
また、人生設計ならぬ「家族設計」をたて、未来の家族ライフサイクルについて予測することもいいでしょう。
家族ライフサイクルという考え方により、家族が抱える問題やその解決方法も見えてくるのです。
(本郷玖美)
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| | 2009年12月07日 10:11 | | トラックバック歓迎 (1) |
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