脳細胞を死滅から守るから
これは積極的治療というよりは悪化を止めるものだが、うつ病の治療に欠かせないものだ。うつ病の人はコルチゾール濃度が高く、これに対して早く手を打たないとコルチゾールが脳細胞をどんどん壊してしまう。
すでに書いたが、コルチゾールが増えるのは扁桃体の興奮を受けた副腎がコルチゾールを作り続けるからだ。
この経路は
- 扁桃体が興奮する
- →脳の中の視床下部がCRFを放出
- →脳下垂体がACTHを放出
- →副腎がコルチゾールを放出
というリレーになっている。ということは、扁桃体から副腎までの間の経路のどこかをブロックしてやればコルチゾールを止めることが出来る。本当は扁桃体を直接止めることが出来れば良いのだが、今はその方法が見つかっていないので記憶が薄れるのを待つしかない(扁桃体は過去の不快な記憶を反すうして興奮しているらしい)。
さて、今すぐコルチゾールを止めるために取れる手段は以下の6つ:
これは難易度順になっている。ホスファチジルセリンやリローラを飲むのはカプセルを飲むだけだから簡単。ガムを噛むのは忘れがち、睡眠は寝付けない・眠れないという症状はそう簡単に解消できない、カフェインに至っては急に止めると禁断症状が出るので、そう簡単には使えない方法だ(それでも徐々に減量して欲しい)。
なお、コルチゾールの濃度は朝が一番高く、以後徐々に下がる。ホスファチジルセリンとリローラを夜だけ飲まないメニューにしてあるのは、夜はもともとコルチゾール濃度が低いからだ。ただし、それは普通の人の場合の話。うつ病の人は慢性的にコルチゾールが高いままという特徴があるので、気分が重いときはいつでもホスファチジルセリンとリローラを飲んで構わない。
(※うつ病の人の気分もまた朝が最悪で夕方から楽になるが、コルチゾールが多ければ単純に気分が重くなるという相関関係を証明した実験結果はまだ見たことがない。
両者のサーカディアンリズム(概日リズム)がたまたま一致しているだけかも知れない)。
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